リリース日: 2026/09/18
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「空には、孤独な星がある。
深夜を歩く旅人が、いつも振り返っている。
それは、彼の初恋を思い出しているのだ。」
この詩を読んだ時、姉と一緒に見た「飛行機星」のことを、しみじみと思い出した。
もう十年も前のことだ。
今でも、あの夜に姉と交わした会話と感覚を、ほとんど全部覚えている。
その頃、私たちにはそれぞれ好きな人がいて、それぞれにたくさんの悩みを抱えていた。
話したいことは山ほどあった。
でも、ありすぎて、どこから話せばいいのか、二人ともわからなかった。
その夜も、なんとなく気持ちが沈んでいて、
ほとんど口をきかず、並んで街を歩いていた。
ふと、私は無意識に顔を上げた。
すると、空の中で小さくきらきら光っているものが目に入った。
「星だ。あ、きれいな星。星だよ」
そう言うと、姉も空を見上げた。
二人は人混みの中で足を止めて、しばらくその光を眺めていた。
小さな光の点が、静かな夜の中に浮かんでいた。
「あれ、飛行機じゃない?」
姉の声は、先より少し明るくなっていた。
私は姿勢を変えずに、じっと空を見つめた。
「星だよ。飛行機だったら動くでしょ」
もう十五秒くらい瞬きもせずに見ていたせいで、目が少し痛くなってきた。
その十五秒のあいだ、二人は何も言わず、ただ空を見つめていた。
人々が行き交う気配も、街のざわめきも、いつの間にか遠くなっていた。
まるで二人だけが夜空に吸い込まれ、何もかも忘れて、あの小さな光に向かって飛んでいくようだった。
「ほら、動いてる。やっぱり飛行機だよ」
姉の声はさらに高くなった。
顔を見なくても、笑いながら話しているのがわかった。
「ほんとだ。確かに動いてる。
でも、飛行機ってこんなに遅いの? やっぱり星じゃない?」
あのときの私は、ただ柔らかい風を感じていた。
ただ姉の声を聞いていた。
ただ、二人しか気にしていない「飛行機星」を見ていた。
周りを人が笑いながら通り過ぎていたことなんて、その時はまるで気づかなかった。
ただ私と姉だけが、同じ場所に立ち止まっていた。
どれくらい長い時間そこにいたのか、今ではわからない。
このまま二人とも、孤独な夜の中に吸い込まれてしまうんじゃないかと思うくらい、静かな時間だった。
そして、まるで示し合わせたみたいに、二人同時に息を吐いた。
その瞬間、どちらからともなく吹き出して、声を上げて笑った。
それまでより少しだけ軽くなった足取りで、また歩き始めた。
あの夜、姉と一緒に見たものは、孤独だったのだと思う。
きっとあの詩人も、空に孤独を見つけたからこそ、初恋を思い出したのかもしれない。
あの夜に見上げた「飛行機星」と、
席慕蓉の詩から感じた「孤独」と「初恋」。
十年以上前の記憶をたどりながら、
この物語を一曲の歌にしました。
LumaeX is an independent artist turning stories into songs. Inspired by people, memories, literature and everyday emotions, LumaeX explores how one story can live through different melodies, genres and languages. Every song starts with a story.