渇望の翼のジャケット写真

歌詞

聖古泉七蜘蛛乃君

Vito Foccacio

*桜叩き落とした雨

生かされるは人の情け

喉元から隙間風

ホトトギス枯れずに鳴け

霧がかれば朝ぼらけ

澄み渡りし清き酒を飲めば

枝ぶつけ騒ぐ

根は深く一つの竹 

寂し寂し寂し

川面眺む白き鷺に

言葉ですらもかけがたし

覗き込むのは水鏡

今宵またも一夜限り

絹の静けさ物語り

雲は月を磨く如し

研ぎ澄まし刀の如し

歳を重ね老い進めど技は更に極めれり

世俗捨てて手を合わせば天にだけは届けれり

朧げなる夢見つつ東の空に日は出ずる

イチジクの葉から雫

旅の末に海に着く

ろくろの上に踊りて

御影石に星屑

絵巻物巡る四季

武蔵の国彩る

足跡無き新雪を踏みしめる一人旅

千年桜に宿る俳聖の御霊なり

墓石に掘られたる和歌口ずさみ

想い人迷わせる松林かな

琵琶法師が爪弾けば

白き鬼すすり泣き

  • 作詞

    Vito Foccacio

  • 作曲

    Vito Foccacio, EL moncherie

渇望の翼のジャケット写真

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【渇望の翼】今作は時代の流れを取り込みながらも、どこまでも孤独に突き進めた作者の感覚を頼りに無用なガラパゴス的進化を遂げ咲き乱れ、ゴシックをメインテーマにヴィジュアル系、メタル、ノイズ、オペラ、ホラーコア、もちろんヒップホップとトラップをも平らげた複合的な作品となった。格調高く甘美に退廃した今作は飽和状態となった新しさに生い茂り時間を未来へと進める。     
【Art Work by Kosuke Kawamura】 【レコメンド】 
【那倉太一】(ENDON/vo)
「Vito Foccacioは最初期からサウス、トラップを己のスタイルに怪しく落とし込みつつ、そのいずれにもストレートに突き抜ける事には禁欲を貫いてきた。
これは、正当にラッパーであり続けながら、文学的に"ゴシック"というテーマを変奏し続け、唯一無二の成熟と腐食を見せつける鬼才の第四楽曲集である。」

   【宮崎大祐】(映画監督)
「ヒップホップよ、我らが馴らされた西洋音階から我らを解き放て。
ヒップホップよ、我らが捕らわれた拍子の牢獄を徹底的に破壊せよ。
ヒップホップよ、我らにベッタリと染みついて離れないアメリカの影を焼き払え。」

   【渡辺志保】(音楽ライター)
「現シーンにおいてもっともシアトリカルなラッパー、VITO FOCCACIO。最新作もまた、不穏な和音の上に乗りながら悲劇的なラップを聴かせてくれる。これほど「表現欲」が詰まった日本のラップ・アルバムがあっただろうか。彼ならではのゴシック的美学が表現された、2021年のヒップホップ・オデッセイ。」

   【向達郎】(kamomekamome,yuvikiri-zukei)
「最近巷でよく聞く「何でもありがHIPHOP」。…本当に?大体が既成概念の固りにしか聞こえない。
HIPHOPに限った事では無く、ROCKのフィールドでも同様、右にならえのゴミ音楽が未だ蔓延している。もうコリゴリ。
しかし、それで良い。
そうでなければ、Vito Foccacioは稀有な存在になれない。
オリジナルである事、ユニークな存在、耳を傾かせる力。「渇望の翼」には、清々しい程に全てが詰まっている。
密教と邪教の間で彷徨っているかの様な、仄暗く朧げなイメージを残し、寒暖の差も無く鼓膜から消えて行く。それは、私が思う王道でもあった。
うーむ、なるほど。エクストリームミュージックの名門、Daymare Recordingsからのリリースも頷ける。
同じく私も言葉を依り、吐く息を針に見立て紡ぐ者として、気になる音楽家がまた1人増えた。」

アーティスト情報

  • Vito Foccacio

    東京と埼玉を中心に活動するヒップホップグループSQUASH SQUADのメンバー。文学や詩や映画などあらゆる創作物を好む。楽曲はトラップ、フォーク、ミクスチャー、ホラコア、オペラ、メタル色のあるものまで同一人物とは思えないほど多面的な表情と独創性をみせる。2012年に1stアルバム「草案」、2013年に2nd「絶望の館」、2016年に3rdでフリーアルバム「Rehabilitation」、2021年「渇望の翼」をリリース。

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    Vito Foccacioの他のリリース

Daymare Recordings

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