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本作『House of Holy Banana』は、儚い日常をSF的視点と近未来的なポップサウンドで描いたアルバム。“人間であるとは何か”という問いを軸に、「家」という極めてパーソナルな空間と、「人間の遺伝子の約半分はバナナと一致する」というシュールな俗説を重ね合わせ、生の有限性と不完全さを静かに肯定する。
アルバムの象徴としてリードを飾る「Kumo-no-ito」は、本作の核心を突く意欲作。芥川龍之介の『蜘蛛の糸』に着想を得たこの楽曲は、ドリームポップの幻想性と、IDMの緻密なビートが「平和な日常の危うさ」を浮き彫りにしていく。地獄に垂らされた蜘蛛の糸のように、私たちの幸福が微かなバランスで保たれているという死生観は、アルバムが描くテーマをより深く、鋭く問いかける。
サウンドにおいては、ベースレスな音像で都市の焦燥を描くフューチャーガラージ、剥き出しのアシッドトランス、空間を制するアンビエント、そしてノスタルジックなドリームポップなど多岐にわたるアプローチを見せながらも、一貫しているのは「冷たさの中にある確かな体温」だ。鋭利なシンセと、祈りのようなクワイヤ。感情を削ぎ落としたボーカルと、温かな日本語の響き。そこには、生きることの“限りある美しさ”と、“それでも続いていく時間”への冷静なまなざしが宿っている。
客演にbutaji、Marty Holoubek、そしてマスタリングに長年の盟友であるサウンドデザイナーのSountriveといった強固なクリエイター陣を迎え、実験的な試みとポップソングとしての強度が、矛盾することなく一つの作品として成立した。
音楽家。幼少期から十代までを日本・パリ・香港で過ごし、クラシックピアノを学ぶ。現在は東京を拠点に活動をしている。 音大在学中にビンテージアナログシンセサイザーと出会い、電子音楽の世界に魅了され、のめり込む。現在もエレクトロニックミュージックを基軸に、ジャンルを超えた音楽制作に取り組んでいる。 自身の作品リリースに加え、m-flo、KIRINJI、Sen Morimoto、TENDOUJI、80KIDZなどのライブやレコーディングに参加。 プロデューサー、リミキサーとしても活動するほか、Rakuten Fashion Week TOKYO 2024 A/WやSCRAMBLE SQUARE SHIBUYA - 2022 SCRAMBLE AUTUMN、ランドリン、Google、GMOなど多様なブランドや企画の音楽制作も手がける。その他、渡辺信一郎監督のアニメ作品「キャロル&チューズデイ」への楽曲提供や脚本家・坂本裕一のドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の劇伴にも歌唱で参加など業界内でも注目を集めている。 2020年発売のシングル「Show Me How」がMAZDA MX-30のTVCMに起用され、本人も出演した。2021年にアルバム『Lucid Dreaming』をリリースし、翌2022年にはSpotifyのEQUALプログラムに選出、ニューヨーク・タイムズスクエアのビルボードに登場。その他、SUMMER SONICや朝霧JAMなどの国内の大型フェスへも出演。世界中のアーティストとのコラボレーションや海外でのライブツアーも行う。 また、映画音楽やCM音楽、楽曲提供、サウンドプロデュース、リミックス、DJ、日・仏・英語での歌唱提供、ナレーションなど多角的に活動中。2026年春、次作フルアルバム『House Of Holy Banana』をリリース予定。
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