歌詞

ランプの明かりが丸くにじんで

部屋の呼吸がゆっくりそろう

すこし冷たい夜の風

カーテンの端で波になる

猫が枕に顔をのせて

静かな時間がほどけていく

指先に触れた湯気の輪

胸の鼓動がやさしく落ち着く

ともしびの窓を見つめながら

今日の言葉をひとつずつ置く

やわらかな光のリズムのままに

明日の入口がそっと開く

机の上の紙片たち

鉛筆の影が細くのびる

猫のひげがきらりと揺れて

笑みがひとつこぼれ落ちる

ひと呼吸してまぶたを閉じれば

遠い街の音が薄くなる

ともしびの窓を見つめながら

言葉はそっと澄んでいく

灯りの粒のぬくもりだけを

胸にしまってページをめくる

ガラスに映るふたつの影

窓枠の木目が道しるべ

猫がしっぽで小さく合図

夜の真ん中を静かにわたる

なくした行を探すみたいに

息を合わせて数を数える

カップの輪が机に残り

時間の音がやさしく響く

ともしびの窓を見つめながら

今日のページをとじていく

やわらかな光に手をひかれて

明日のページをひらいていく

同じテンポでならぶ心拍が

静かな終止にほどけていく

小さな明かりをひとつだけ残し

猫に「おやすみ」とそっと言う