Lyric

忙しいからと終わらせた会話の残響

人混みに攫われて

冷たい足音だけが耳につくのは

ただ繰り返す日々のせいじゃない

だけど

だけど、こんな筈じゃなかったな

形のない理想に

もう溺れそうだよ

あなたの

あなたの、相変わらずの声が

ああ、少し悔しい様で、どこか愛しい様で

何もかもが、ガラス張りの街では

目に見えないものが余りに脆くて

いつの間にか思い出すのは、あなたと

理由もなくただ、優しく離れ難いこと

息を潜めた街の

夜は案外に静かだってこと

あなたは知らないでしょう

気付けば行方知れず

なんて珍しくないからきっと

近付くほど寂しいのね

今日も明日も

互いを知らずにいること

今更堪え難いとも思わないけど

あなたの

あなたの、相変わらずの距離が

ああ、昨日のことみたいで、どこか懐かしい様で

誰も彼も、一人きりの街では

孤独の理由ばかりが鮮明で

いつの間にか思い出すのは、あなたと

目に見えなくとも、確かに繋がる

引力の様に、優しく離れ難いこと

些細な過去を分かち合えること

時の長さだけが全てじゃないけど

初めてあなたに触れた日のことを

まだ覚えている

その手を優しく

離さないでいた日を