

泥が言葉を飲む 沈むほど澄んでいく
薄い灯の皮膜が 瞼の裏で割れる
踏み入れた足跡を 水音が縫い合わせ
見えない糸だけが 私を連れ戻す
名前を言えば 口が締まり
言わなければ 胸が開く
泥炭の口よ 私を舐めて
喉から熱だけ 少し返して
息の底にある 塩の角砂糖
溶けないままで 夜を越えたい
藻の細い指が 踝をくすぐる
遠くの灯台だけ 逆さに瞬く
呼吸の合間に 古い合図が鳴る
水面の裏側で 誰かが頷く
ほどける結び目を 歯で確かめる
甘くも苦くもない 夜の味
泥炭の口よ 私を選んで
声の重さだけ ここに残して
もう一歩深く 膝まで貸すから
私の名だけは 飲み込まないで
静かに、静かに——泡になれ
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- ⚫︎
泥炭の口
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アーティスト情報
Story Sound-notes
ダークで少し不思議、でも耳あたりはチル。ローファイ/ヒップホップ/ジャズのエッセンスを少しだけ織り込み、読書・勉強・作業・休憩に寄り添うサウンドをお届けします。童話や旅人、魔女、古書、霧の森……そんな“情景”から生まれた曲や、物語をなぞるプレイリストも公開中。
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