

歩道橋の階段の隅っこで
ミミズが干からびて死んでいる
水をかけたところで生き返らない
そんなことわかっているけど
プール帰りの濡れた水着を
絞って水をかけてみる
階段のコンクリに水が染みて
ジワジワと小さな音がした
ミミズが鳴いたわけじゃない
生き返ったわけじゃない
だけど水が染みる音がした
セミたちが街路樹でうるさく鳴いて
それをかき消そうとしても
一番近くで水が染みる音がした
ミミズの寿命は二年ほど
ミミズが鳴いているとたまに聞くが
残念ながらミミズは鳴かない
ミミズを横目にケラが鳴く
頭は帯みたいな環帯があるほう
ただひたすら土を飲み込んでは
ヒーローさながら土壌を育てる
悲しいことにバックができない
ミミズは死にたいわけじゃない
干からびたいわけでもない
ただ進むことしかできないから
セミたちが街路樹ではやし立てても
水のないコンクリにたどり着き
蜃気楼のなかで息絶える
プール帰りの濡れた水着を
絞って水をかけてみる
階段のコンクリに水が染みて
ジワジワと小さな音がした
ミミズが鳴いたわけじゃない
そんなことわかっているけど
- Lyricist
ai
- Composer
ai

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mimizu
ai
ミミズは死にたいわけじゃない
干からびたいわけでもない
バックができないから
ただひたすら進むだけ
あなたは?
わたしは?