Lyric

懐かしきシネマ 今はなき弍番館

一番ベルに誘われて 銀幕の彼方へ

生まれてすぐに 親父が連れてった

初めて観たのは文太だったよ

ガード下の映画館

電車が通るたびに 揺れていた

懐かしきシネマ 今はなき弍番館

入れ替えなしの二本立て

椅子は座れば軋む

嫌な授業は いつも抜け出して

ポルノもアートだと 観に行ってた

上野 新橋 池袋

いつも隣のオカマに触られた

懐かしきシネマ 今はなき弍番館

幕間で煙草片手に 論客共が語らう

日曜 日の暮れ 午後の3時半

ラストも観ずに 出てゆく人

ロビーの待合にゃ人の群れ

テレビじゃ馬の鼻息ゲートイン

懐かしきシネマ 今はなき弍番館

立ち回りが始まれば

「待ってました！」の声が飛ぶ

街の時は 止まっているけど

傷ついたフィルムは回り続ける

懐かしきシネマ 今はなき弍番館

笑い声も泣き顔も

みんな抱え 消えてった

懐かしきシネマ 今はなき弍番館

駄目な駄目な このオレを

見守っておくれ

駄目な駄目な この街を

見捨てないでおくれ