歌詞

しろい息がほどけてのびて

道の端で朝が目をさます

うすく積もったはつゆきに

足あとがふたつ並んでいく

ねこと歩幅を合わせれば

胸の鼓動が静かにそろう

指先にふれる冷たさひと口

深くすいこんで目を細める

はつゆきのこみちをたどりながら

きょうの言葉をほどいていく

やわらかなひかりのリズムのままに

あしたの入口を見つけだす

こもり音の街が遠く

柵の上に雪が薄くのる

ねこのひげがきらりとゆれて

笑みがひとつこぼれ落ちる

ひと呼吸して空を見上げれば

白い粒がまつげにとまる

はつゆきのこみちをたどりながら

言葉はそっと澄んでいく

白い余白のぬくもりだけを

胸にしまって歩いてく

ベンチの木目が淡く濡れて

足もとの雪が小さく鳴る

ねこがしっぽで前をさして

角のむこうへ誘ってくれる

ポケットの中の小さな手袋

片方だけがまだあたたかい

名前のない約束みたいに

朝のページがめくれていく

はつゆきのこみちをたどりながら

きょうのページをとじていく

やさしいひかりに手をひかれて

あしたのページをひらいてく

同じテンポでならぶ足音が

静かな終止にほどけていく

角を曲がればいつもの家路

ねこと「おはよう」をわけあう