そう むかしむかし
遥か遠いむかし
もう語り部も無い
御伽噺
重い足取り
知らず裏通り
ひっそりと佇む
と或る喫茶に
足を踏み入れて
賽は投げられた
歌が聞こえる
「さァ
もしも君が 望むなら
その扉は 目の前
未だ 夕映え時
漂う 紅茶の香り
どうぞ お好きな席に
望む 歌はあるかな?
爛々と 舞い踊って
燦々と 歌おう
やがて悩ましきは溶かし
飲み切って 泡沫
深々と 陽も落ちる
宵の口
何度でも そう おいで 此処へ」
【遥カ遠イ 記憶
甘イ 喚ビ聲ガ響ク
「友ヨ 何時カ会ヘル 其ノ日マデ」ト】
モシモ 君ガ 惑フナラ
コノ扉ハ 開クヨ
ソンナ 逢魔ヶ刻
世界 滲ムナラバ
僕ハ 変ハラズ居ヨウ
君ト マタ逢フ日マデ
揚々ト 板ノ上
煌々ト 輝ク窓辺
揺蕩フ光 彼方千切レテ茜雲
滔々ト 述ベ語ル
暮ノ淵
何時マデモ ソウ ズツト 此処デ
どんな時も
愛(いと)し愛(かな)し 愛づるヒトよ
例え 其れが 刹那でも
追憶に仰ぎ見る一夜
ヲカシキ コノ現
「月ニ叢雲 花ニ風サ」ナドト
もしも 君が望むなら
迎えに行こう 必ず
いつか 黄昏時
君が 微睡むなら
僕は歌っていよう
君に 聞こえるように
会いたいと可惜夜(あたらよ)に
靉靆(あいたい)と笑うのならば
愛憎 忘れ去って 澄み切って 夕空
相対に暮れなずむ玉響
いつまでも そう 永遠に 此処で
勿忘草
そっと 飾ろう
さァ 終演
幕が 降りるよ
ムカシ 遠イムカシ
ト或ル 喫茶デ
浮世を忘れ 歌おう
君に 幸あれと
- Lyricist
Mikoto Yuukage
- Composer
Sebastian
Listen to A fairy tale of a certain cafe by Mikoto Yuukage
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A fairy tale of a certain cafe
Mikoto Yuukage
JPVTuber's Original Song