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「誰にも見えないとしても、私はここにいた」 東京の朝はいつも灰色だ。 狭い空、くすんだ雲、流されるように動く人々の群れ。 そんな風景の中で、ひっそりと、確かに存在する“何者でもない者”たちがいる。 earthling on earth の新曲『何者でもない者』は、 社会の網目からこぼれ落ちた存在たちの静かな祈りを歌う楽曲だ。 この曲は、誰にも気づかれずに咲く道端の花や、 窓を叩く一粒の雪のように、 目立たず、でも確かにそこにいる者たちの声なき声を、優しくすくい上げていく。 “何者でもない 僕” “何者でもない 私” “だけど、泣き笑いながら生きている” このフレーズは、 息苦しい社会の中で、自分の輪郭を見失いかけている人々の心に、 そっと触れる灯火となるだろう。 現代を生きる私たちは、気づかぬうちに“透明”になっていく。 認識されず、記録されず、存在ごと霞んでいく。 でも、この曲は囁く。「それでも、光っているんだ」と。 長い時間の流れに取り残された者たち。 戦後の焼け跡から、バブルの夜まで。 そして、ひとりの女性が辿る“消えゆく存在”としての旅。 この楽曲は、そんな**「時の囚人」たち**の魂と共鳴する、 文学的で、静謐な詩のようなサウンドスケープとなっている。 もしかすると、あなたのすぐそばにも、 誰にも気づかれずに立ち続ける「その人」がいるかもしれない。 そして、あなた自身が、いつのまにか“何者でもない者”になっていることに、 ふと気づく瞬間が来るかもしれない。 それでも大丈夫。あなたはここにいた。あなたは、光っていた。 この曲は、そんな“存在の証明”を、そっと伝えてくれる。

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