ないものねだりの愚か者と 自分を卑下して四半世紀
得難いものばかり求めては 空振る腕を呪っていた
暮らしも碌には送れないで 自転の数だけすり減る日々
命からがらとは程遠い 生温い風に帆を広げた
思ったように船は進まず 軋む竜骨を訝しんだ
気付かぬうちに山のような荷物を
背中に纏っていた
手に入れていた
手に入れていた
余りにも僕ら
手に入れ過ぎていた
塞がった両の手が
疎ましいのは何故だ
みるみる重なり膨らむ山
影を成すばかりで不穏なまま
掻き分け掘り当て見付けたのは
投げ捨てたはずの宝の山
思えば遠く遠くまで来た
どこまで続くか分からないが
何かを選んで若しくは捨てて
駆け抜け続けたあの日のまま
手に入れてきた
手に入れてきた
あまりにも僕ら
気付くのが遅かった
輝きこそしないが
誇れるものばかりだ
土汚れた手の平から香る明日の気配
希望に似たそれを分かちあうため
人は手を振って別れるらしいぜ
錨を上げろ 風は強いが
凪の海なんてつまらないさ
しじまに光った鬨の声に
微塵の濁りも無い僕らの歌
手に入れていた
手に入れていた
有り余るほどに
手に入れ過ぎていた
困ったなこの中に
無用なものなど見当たるはずもないや
積み上げてきた
がらくたの山
見れば見る程に
夢のような景色だ
輝きこそしないが
誇れるものばかりだ
輝きこそしないが
誇れるものばかりだ
ないものねだりの愚か者が
伸ばし続けてたその両手を
ついに引っ込めて抱えた宝
ねだるのを止めて守り始めた
- Lyricist
Ryo Shoji
- Composer
Ryo Shoji
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Artist Profile
Sayo No Koe
3ピース、【思考するロック】小夜の聲。 2015年、仙台市にて結成。
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