

「数ヶ月前までは、笑顔を見せる男の子だったのに」と
女子生徒は泣きじゃくった
私が知らないのは、最近ここにきたからだ
許せないのは、教員が加害側であったことだ
大人として、教師として許されることではない
私はできる限りの手段を使い
経緯と事実をつなぎ合わせた
学校側の隠蔽体質に、吐き気がこみ上げてくる
彼がどれだけ苦しんだか分かっているのか
「待っていろ君、明日から自由だ」
翌朝、全校の1時間目が自習になるほど
長い職員会議で、私の怒りの声が廊下まで響き渡った
その日の午後は、全生徒を学年別に分け
体育館で私が、いじめのかたちや、ネットリテラシー
いわれのない罪を受けた側の心の傷が
取り返しのつかないことになるかもしれないことを
心を込めて、染み渡るように優しく伝えた
生徒たちをつないでいた糸が「切れて」「落ちて」「消えた」
数日が過ぎた
いつもと変わらない日々のように見える
しかし、空気の感覚は確かに変わっていた
私はなすべきことをできたであろうか
誰かが「はい、70点でした」とか
評価してくれればいいのにと思う
当たり前のことをやっただけで
ほめてもらいたいなんて思わないのに
人はやはり、点数や上下関係を気にする生き物なのかな
自分より弱いものを作り出したいから
いじめはなくならないのかな
私たちが言い聞かせたから
もう同じことは起きないだろう
人の心の弱さと、守るものへの強さをもつことを私は伝えた
しかし、あの日から、同僚が
私を 「ボス」 呼ばわりするのはハラスメントではないか
まっ、「ボス」でもいいやと、内心、心地よくもなっている
うれしいことも報告したい
彼が私に点数をつけてくれた
授業の時間、彼の目の中に、まばゆいばかりの光がともっていた
あの瞳の輝きは私に「100点」をくれたのかなとも思った
私は、100点のお返しに、ウィンクで返そうとしたけど
やったことがないので両目をつぶってしまった
それでもがんばって生み出した
彼と私だけに見えるキラキラ光る星は
フワフワと彼に向かっていったが
途中で床に落ちゴツンと音をたてた――ように聞こえた
私も救われた。私の船は座礁していたが
再び魂を取り戻した教師や生徒たちの明るい笑顔に救い出された
私は決してあきらめない
そして人を信じて、尊重しあい
世代を超えて人のやさしさをつむぐ大切さをあらためて思った
子どもたちの満面の笑顔を見るのがうれしかった
もうすぐ夏だ。彼らにとってもこの夏は一度しかない
みんなおもいっきり遊ぶんだ
そしてまた、仲良く、学校生活を楽しもうね
追伸 どうでもいいことだけど
あの出来事の後始末は、保護者、教育委員会と
管理職が大変だったようで
それは、自業自得(じごうじとく) いうものでは・・・
・・・
- 作詞者
m.ku
- 作曲者
m.ku
- プロデューサー
m.ku-3
- ギター
m.ku

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方舟の行く先 座礁 第三章終 開けた未来
m.ku
ご好評頂いております。たかはし先生「卒業」の続編です。
田舎の小さな町の中学校が廃校になり、大きな町の中学校に転勤となった女教師「たかはし先生」を待ち受けていたのは、とてつもなく大きな問題でした。たかはし先生はその問題に立ち向かうことになります。
この物語は小説に例えたら一冊分相当です。曲に落とし込むにも「前」「中」「後」と三部作になってしまいました。それぞれに付いた「副題」が曲の中身を表しています。さてどんな物語なのか、お楽しみください。たかはし先生の物語はまだまだ続いてゆくのです。



