

忘れたころにバナナボート
ミルクカステーラとやってくる
みぞれが降る前に家に入って
ババヘラアイスと大宴会
棒のジュースは凍ったかな?
冷蔵庫を眺めても
固まるスピードは変わらない
干し芋は焼けたかな?
焦げてしまって
しょげて言葉も出てこない
コーヒー味のアイスだけ
やけに気に入る夜があり
大好物を忘れたことに
悲しくなった28歳
酒屋さんが開いているうちに
明日のおやつを買いに行く
200mの大冒険が
今や600kmの大冒険
花火を燃やす瞬間よりも
バケツに落とすのが好きだった
誰にも言わなかったけど
ジュワッと水は驚くんだ
タッパに入ったアイスはね
やけにご馳走だったのさ
湿り始めたコーンの触り心地を
僕はもう思い出せないでいる
生きてるうちに思い出せば
食べられるおかしだけど
仏壇の前に添えられたおかしは
腐ってただ捨てられるだけなのさ
食べかけたチョコはやめて
固まる前に東雲羊羹を食べる
志んこはふわふわのうちに
忘れないようにしなきゃ
忘れないようにしなきゃ
ターミネーターのクッキーも良いんだけど
やっぱりトラピストクッキーが最高だ
炎天に現れるカブトムシを見つけた興奮
カマキリが踊り始めた夜
虫かごの中のきゅうりの匂い
僕はもう思い出せないでいる
おかし
- 作曲
スズキサトシ
- 作詞
スズキサトシ

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- 1
おさむ
スズキ サトシ
- ⚫︎
おかし
スズキ サトシ
- 3
誕生日
スズキ サトシ
- 4
月よ
スズキ サトシ
- 5
今日僕は銀歯になった
スズキ サトシ
- 6
羅生門に聞いて貰いたい話
スズキ サトシ
- 7
東北の空
スズキ サトシ
- 8
犬の川
スズキ サトシ
- 9
炎と老婆
スズキ サトシ
- 10
アトピーのうた
スズキ サトシ
スズキサトシ2ndアルバム『アトピーのうた』、制作期間9か月を経てついにリリースされた。
大半の楽曲が暗く陰鬱な雰囲気を纏っており、異様なほど厭世的な内容となっている。
さらに歌詞に注意を向けると「死・病気・火葬・仏壇」と言った言葉が散見され、前作のような明るくポップな側面を期待しているリスナーは拍子抜けを食らうかもしれない。
だが本作には以前には持ち得なかった、痛々しさを伴ったスズキサトシという一人の人間の悲痛な叫びが感じられる。
とくに表題曲である『アトピーのうた』は、彼の持病をテーマに据えた内容であり、おそらく世界で初めての「アトピー性皮膚炎」の歌だろう。
郷里の秋田弁を用いたものや、斬新な構成の楽曲も見受けられ、このような音楽的に挑戦する姿勢も存在することからも、本作は音楽家スズキサトシとしての一つの試金石となるのではないだろうか。
真っ暗な夜にこのアルバムに耳をすませば、我々は何か大事なことに気づくかもしれない。
アーティスト情報
スズキ サトシ
秋田県出身のソロミュージシャン。多数の楽器を自身で演奏するマルチプレイヤーである他、エンジニアリングまで自身で手掛けるDIYなスタンスで活動を行っている。制作活動に重きを置いて活動しており、20年12月に1stアルバム『季節を透いて見る旧時』・21年10月に2nd『アトピーのうた』をリリース。ポップでキャッチーなロックンロール曲を嚆矢として、近年は実験的要素を含んだ楽曲を発表するなど、音楽的思考に変化が見られつつある。
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