アトピーのうたのジャケット写真

何やら分かった風にして

これ見よがしに月の美しさを語る歌ほど

滑稽なものは無い

どんな夜にだって月は浮かんでて

何なら昼間にだって浮かんでるのに

金の事ばかり考えて

いつも地面ばかり見ているのが人間さ

月に見とれて俳句を歌い

風雅な心を持っていた日本人

今や庭でお月見なんてしたら

近所から指を指されて笑われるだろう

月よ、こんな人間を笑ってくれ

そしてこんなくだらない唄も

空を眺めることを忘れ

生活の為に自然を忘れ去っているのに

何故人は月や風や空を唄う

僕たちが必死になってる生活は

唄う価値もないくだらないことだとでも

言うのだろうか

どんな曇り空の時だって

雲の上には月が胡坐をかいてる

見えるものだけを信じて

財布を握りしめたままなのが人間さ

月よ、こんな人間を笑ってくれ

そしてこんなくだらない唄も

餅を見るのは正月のスーパーだけ

お月見の餅はどこかに忘れ去られたみたいだ

冷たくなり始めた風を浴びながら

寝っ転がって餅でもつまんだなら

すぐに近所の噂になるさ

月よ、こんな人間を笑ってくれ

そしてこんなくだらない唄も

  • 作曲

    スズキサトシ

  • 作詞

    スズキサトシ

アトピーのうたのジャケット写真

スズキ サトシ の“月よ”を

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スズキサトシ2ndアルバム『アトピーのうた』、制作期間9か月を経てついにリリースされた。

大半の楽曲が暗く陰鬱な雰囲気を纏っており、異様なほど厭世的な内容となっている。

さらに歌詞に注意を向けると「死・病気・火葬・仏壇」と言った言葉が散見され、前作のような明るくポップな側面を期待しているリスナーは拍子抜けを食らうかもしれない。

だが本作には以前には持ち得なかった、痛々しさを伴ったスズキサトシという一人の人間の悲痛な叫びが感じられる。

とくに表題曲である『アトピーのうた』は、彼の持病をテーマに据えた内容であり、おそらく世界で初めての「アトピー性皮膚炎」の歌だろう。

郷里の秋田弁を用いたものや、斬新な構成の楽曲も見受けられ、このような音楽的に挑戦する姿勢も存在することからも、本作は音楽家スズキサトシとしての一つの試金石となるのではないだろうか。

真っ暗な夜にこのアルバムに耳をすませば、我々は何か大事なことに気づくかもしれない。

アーティスト情報

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