アトピーのうたのジャケット写真

歌詞

東北の空

スズキ サトシ

上から目線のおじさんの怒号

金切り声が響くアパート

変人扱いの近所の視線

全てはこの雲の下で

午前1時と言うけれど

眠れない夜は今日も加速して行く

ブルーシートを叩く水滴の音が

妙に耳に残るんだ

東北の空を呼んでみたけど灰色の空は

こっちを見ようともせずに

何も教えてはくれない

夕暮れに外に出る感覚を忘れた

日差しが嫌がらせのように明るすぎる

急ぎ足の学生服

生温かい風にカバンは揺れている

午後5時と言うけれど

頬を赤くする稲穂は見当たらない

無機質な時間を知らせる放送が

感情の無い時刻を今日も呟く

東北の空を呼んでみたけど灰色の空は

こっちを見ようともせずに

何も教えてはくれない

田舎、子の刻

虫の声

東京、子の刻

人の声

灰色の空の下にいるのは

僕の意思だから

怒号を子守歌にして

眠るよ

戦闘機が飛ぶ 灰色の空よ

蜩は鳴かぬ 灰色の空よ

コンクリートに残響する子供たちの声

虫の声が聞こえない

この騒がしい街じゃ

東北の空を呼んでみたけど灰色の空は

こっちを見ようともせずに

何も教えてはくれない

東北の空を呼んでみたけど灰色の空は

こっちを見ようともせずに

誰も助けてはくれない

東北の空に

東北の空に今日はちょっとだけ

会わせて欲しい

  • 作曲

    スズキサトシ

  • 作詞

    スズキサトシ

アトピーのうたのジャケット写真

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スズキサトシ2ndアルバム『アトピーのうた』、制作期間9か月を経てついにリリースされた。

大半の楽曲が暗く陰鬱な雰囲気を纏っており、異様なほど厭世的な内容となっている。

さらに歌詞に注意を向けると「死・病気・火葬・仏壇」と言った言葉が散見され、前作のような明るくポップな側面を期待しているリスナーは拍子抜けを食らうかもしれない。

だが本作には以前には持ち得なかった、痛々しさを伴ったスズキサトシという一人の人間の悲痛な叫びが感じられる。

とくに表題曲である『アトピーのうた』は、彼の持病をテーマに据えた内容であり、おそらく世界で初めての「アトピー性皮膚炎」の歌だろう。

郷里の秋田弁を用いたものや、斬新な構成の楽曲も見受けられ、このような音楽的に挑戦する姿勢も存在することからも、本作は音楽家スズキサトシとしての一つの試金石となるのではないだろうか。

真っ暗な夜にこのアルバムに耳をすませば、我々は何か大事なことに気づくかもしれない。

アーティスト情報

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