

カメラ機能は
使わないことに決めて
2人でいろんなところを歩いた
もう3年
いつどこに行ったかは
記録したいから
GPSはオンにして
あとで地図のタイムラインを
指でなぞりながら
君とあれこれ語り合う
幸せのかたち
同じ坂道をのぼり
同じ風にあおられて
同じ雨を浴び
同じ匂いにつられた
つねに一緒にいるわけじゃないし
そんな時間はむしろ少ないけど
共有した描写の
大きさと多様さは
他人にははかれない
2人のフォルダ
そこには写真一枚すら
形あるものは
ひとつもなく
揃えてあるのは
記憶と思いやり
かつてふたりはたがいに
要求ばかり繰り返して
思いはいつもすれちがい
やがて疲れはて
かつてふたりはたがいに
わかりあおうと努力して
なのにこじれてばかりで
やがて疲れはて
疲れはてて
カメラ機能は
使わないことに決めて
2人でいろんなところを歩こう
時間をかけて
いつどこに行ったかは
記録したいから
GPSはオンにして
あとで地図のタイムラインを
指でなぞりながら
君とあれこれ語り合いたいな
幸せのかたち
- 作詞者
玄月
- 作曲者
玄月

玄月 の“幸せのかたち”を
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ストリーミング / ダウンロード
- 1
亀が浮かんでいる
玄月
- 2
晴れた日は好きじゃない
玄月
- 3
転倒
玄月
- 4
好きと言って
玄月
- 5
あのころ信じていた神様
玄月
- 6
じっとしない世界で
玄月
- 7
夏が終わったら働くし
玄月
- ⚫︎
幸せのかたち
玄月
- 9
ただの一度も恋愛というものができなかった
玄月
- 10
自由
玄月
- 11
恋詩
玄月
11のオリジナル曲をひとりで録音したアルバムです。
アルバムタイトル曲の「亀が浮かんでいる」は、生まれ育った土地の原風景、自転車が捨てられ亀が浮かんでいた運河がモチーフになっています。
小説であれ音楽であれ、「記憶」を表現する作業において、つねに足手まといになるのは「いきすぎた美化」です。ノスタルジーからは、それらをうまく排除しなければなりません。
アーティスト情報
玄月
玄月プロフィール 芥川賞作家・大阪芸術大学教授。心斎橋「文学バー・リズール」店主。 2021年より音楽活動を開始。2023年、フルアルバム「亀が浮かんでいる」を発表。 2024年7月、ミニアルバム「とおる追いかけろ」をリリース。 2025年4月、シングル「わたしはユリコ」をリリース。
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