

正午を少し
過ぎた空
街の音が
遠くなった
ビルの影を抜けて
川沿いまで歩いた
階段に腰を下ろし
流れる水を見ていた
向こう岸を走る
白い配送車
橋の上では誰かが
風に帽子を押さえてる
朝から抱えていた
言葉にならない重さも
昼の光にさらせば
少し輪郭がぼやけた
何も終わってない
何も片づいてない
それでも今だけは
ここにいてよかった
雲がゆっくり
東へ流れて
水面の光が
足元まで来ていた
十二時台の空を
見上げていた
一日の途中で
立ち止まっていた
遠くへ行かなくても
風はここまで来る
戻る場所があるから
少しだけ遠くを見た
スーパーの袋から
パンをひとつ取り出す
うまく開かない袋を
風に鳴らされながら
対岸のグラウンドで
ボールが高く上がる
届かなかった声だけ
川の上を渡ってきた
朝の俺と夜の俺の
ちょうど間にいる時間
まだ答えを急がずに
水の流れを追っていた
群青には早すぎて
夕暮れにはまだ遠い
昼を映した川が
静かに流れていた
時計を見れば
あと少しだけ
でもこの数分を
急ぎたくなかった
十二時台の風に
吹かれていた
今日の続きを
まだ選べずにいた
決められないことも
抱えたままでいい
川は何も知らずに
同じ方へ流れていた
誰かの速さに
合わせるたびに
自分の歩幅が
分からなくなった
午前中についた傷を
午後まで持っていく
そんな日があっても
別におかしくない
海までは遠い
岬も見えない
それでもこの水は
どこかへ続いている
今いる場所だけで
全部を決めなくていい
流れていくものを
少し見送ればいい
十二時台の空は
広かった
ビルの隙間にも
光が残っていた
何かを変えなくても
呼吸は戻ってくる
立ち上がった俺の影が
午後へ少し伸びていた
正午を少し
過ぎた街
川だけが
先へ行った
俺もそろそろ
戻ろうと思った
- 作詞者
YOHAKU
- 作曲者
YOHAKU
- プロデューサー
YOHAKU
- ラップ
YOHAKU

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十二時台
YOHAKU
アーティスト情報
YOHAKU
言葉にならなかったものを、そのまま残す音。 静かなトラックに乗せて、日常の中にある違和感や余白を描く。 特別じゃない時間、名前のつかない感情、 消えなかったものだけを拾い上げるように。 強くは言わない。 でも、確かにそこにある。
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