ここには誰もいない。
彼女が瞬きする間だけ、
世界から切り離されている。
夏服のシャツの下、
その白いへその下、
まばらに咲いた鱗を、
ひとつひとつ摘んで、
星を数えるみたいに、
てのひらに集めていくのを、
あなたは見もせずに目を閉じて、
放課後の静けさを聴いていた。
青灰色の血が滲んで、
痛くないの、と尋ねるのもためらって、
わたしが手を止めるとき、
雨が降り出した。
ぽつぽつと窓を叩く音が入り込んで、
それでぴたりと目が合って、
あなたは声を出せないまま、
もういいよ、と息をつき、
裸足を片方引き摺って、
きっとどこにも行けない背の向こうで、
晴れ空から滴る水が彼女を呼んでいた。
- 作詞
小宵
- 作曲
貝と蜃気楼
貝と蜃気楼 の“Interlude : 雨やどり”を
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アーティスト情報
貝と蜃気楼
耳を劈く轟音に物語性の高いリリックを乗せて鳴らすオルタナティヴ・ヘヴィ・ロックバンド。そのサウンドはスラッジコア、ブラックメタル、ハードコアパンク、シューゲイザー、USインディーなど様々な音が渾然一体となった唯一無二のものだ。メンバーは、小宵(Vo)、KYOTOU O-EⒶST SHIBUYⒶ(Gt)、ヨシキ(Gt)、MiNT(Ba)、634(Drs)の5人組。その内、小宵とKYOTOU O-EⒶST SHIBUYⒶの2名がVtuberという異色の構成だ。2022年4月に1st EP『人魚の骨』、同年10月に1st Album『七日目の街』をリリースし、また2022年5月にはおやすみホログラム主催のライブ「打奏驚蛇」に出演、同年12月にはレコ発ライブ「七日目のパレード」を主催するなど、ステージパフォーマンスにも力を入れており、破壊的な演奏が評価されている。最近ではASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文がホストのpodcast AVMTのVOL.36にて1st Album 所収「安息日」が週のプレイリストに選曲されるなど、その存在感はあらゆる音楽シーンにおいて日々いや増しつつあり、今後も決して目が離せない。
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