とはずがたりのジャケット写真

歌詞

セキベツ

あぽろ

霞のように

月日は過ぎし日を鎮めて

高架下

あの自転車

色はとうに忘れた

痛みだけがただ確かで

手放せない

また逢えるのなら

他愛のない話

駅近のあの店で

いくらでも いくらでも

叶わないことは

夢に見るだけでいい

悼む胸を笑い飛ばしたけど

桜が舞う度に

木々が色づく程に

あなたの声を聞いた

褪せることのない

あなたの影に

惜別もできないまま

屍だろうと

季節は朽ちてこそ芽吹いて

顧みることもなく

泣き叫ぶこともない

心だけが

あなたがいた証ならば

長く緩やかに旅する時(かわ)は

何を抱いては磨き上げ

海原へ流すのか

手に余ることと知り尽くしても

誰にも委ねたくはない

肌は凍てつく度に

日差しを浴びる程に

あなたの体温を知った

陰ることのない

あなたの光に

まだこの眼は開けずに

また逢えるのなら

他愛のない話

駅近のあの店で

いくらでも いくらでも

叶わないことは

夢に見るだけでいい

悼む胸を笑い飛ばしたけど

桜が舞う度に

木々が色づく程に

あなたの声を聞いた

褪せることのない

あなたの影に

惜別もできないまま

  • 作詞

    あぽろ

  • 作曲

    あぽろ

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スリーピースバンド”いなりばらんす”のキーボードボーカル、あぽろによるソロ弾き語りミニアルバム。
全ての曲が一人称視点で語られることから古典『とはずがたり』の名を借りる。

アーティスト情報

  • あぽろ

    シンガーソングライター。 バンド『いなりばらんす』でキーボードとボーカル、作詞、作曲を担当。 心内描写を日常の風景に投影する言葉を紡ぎがち。 特に信条としているわけではないが、切ない曲、暗い曲、重い曲を量産しがち。 楽しい曲も作りたい気持ちで溢れている。 あえて言うならば、言葉に関しては詩的表現をなくさないこと、曲に関しては縛られないこと、自由でいることを信条にしている。

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