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スロウコアを思わせるゆったりと重めなテンポ感、重層的なコーラスワークをはじめとする広大な景色を浮かばせるサウンドスケープ、そして256面楚歌による芯がありつつも繊細なボーカルによって、1本の映画を観た後のような壮大な印象を受ける。上記はすべて108pierrotsの全楽曲を通しての特徴だが、本楽曲はその真髄とも言えるほどすべての要素が1楽曲の中に詰まっている。
暗喩的な歌詞からは256面楚歌の哲学や文学への造詣の深さも滲み、切り絵と水彩をベースとした自身が手掛けるジャケットアートワークも相まって、楽曲のゴシックでシリアスな世界観を強調している。
緻密で丁寧な構成と映画のようなダイナミックな展開作りとを作編曲の武器とするボーカリスト「256面楚歌」が、自身のソロ・プロジェクトとして始動させたドリームポップバンド。 一聴して感じるのは、スロウコアやアンビエント、シューゲイザーをベースに、大自然の中に佇むような広大な景色を彷彿とさせる音像。幾重にも絡み合う重層的なコーラスワークの中で儚げに鳴る美しいピアノの旋律と、静寂から轟音のダイナミズムを生み出すリズムセクションのつくり込みで圧巻の世界を紡ぐ。一方、256面楚歌による演奏力に妥協しない姿勢は、楽器陣だけでなく自身のボーカリゼーションにも求められる。透明感がありながらも焦燥の息遣いが伝わる芯のある唄が、聴く人の魂を揺さぶる。 256面楚歌の芸術家としてのこだわりは強く、作編曲や作詞だけにとどまらず、レコーディング・ミックス・マスタリングといった音源制作から、水彩と切り絵を基調としたジャケットアートワーク制作、またSNSでおよそ3日に1度更新される動画の制作まで全てを自身で完結させている。