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「天井のシミが何に見えるかを延々と悩み続け、自らの存在の意味を自嘲気味に思索する、平日の気怠いベッドルームの微視的な孤独」を、サイケデリック・インディ・フォーク(Psychedelic indie folk)の仄暗い音響空間に落とし込んだ、BPM88の麻薬的で低速な(Narcotic velocity)極めて内省的で不敵なアート・トラックです。楽曲を底底から揺さぶるのは、完璧なクォンタイズを拒絶した「埃っぽいアコースティックの質感と、指先で優しく弾かれる太く温かいベースライン(unquantized fingerpicked warm-bass loop)」。Lchに配置された生々しいアコギのストラムと、Rchから幽霊のように漂うわずかに歪んだエレキギター(slightly distorted electric guitar drifts)が、狭く密閉された部屋の空気感をリアルに再現します。
楽器構成は、安易な感動を誘うストリングスやスタジオの完璧主義を徹底的に排除した、極めてオーガニックで泥臭いアナログ・アコースティック。最大のフックは、マイクの振動板(カプセル)に唇が触れるほど至近距離(2cm)で捉えられた、ピッチ補正なしの男性リード。ヴァースでは耳元でボソボソと呟くような、聴き手との距離を不快なほどに狭める会話的なメロディでまくし立てますが、サビ(コーラス)に突入した瞬間、それまで狭かったステレオ幅が左右140%のパノラマ(Panoramic open bloom)へと劇的に全開放され、歪んだエレキギターの残響が多幸感と憂鬱を同時に爆発させます。中盤のブリッジでは、何の前触れもなくすべての爆音とシンセが完全消滅する無警告の引き算を経て、虚無的な「語り」を披露。その言葉の途中で、1.5秒間完全に無音になる真空空間(1.5-second bridge fader collapse)を敢行し、聴き手の脳内に生理的な目眩を引き起こします。最後はマイナス11 {LUFS}というダイナミクスを残した極小マスタリングのまま、140%から100%の絶対的モノラル(mono)へとステレオ幅が急収縮。息を吸い込む言葉の途中でリミッターがゲートを閉じるように遮断され、1ミリの余韻も残さずスパッと完全な真空の静寂へと着地する、人間の愛おしい虚無を祝福する大傑作トラックです。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。