

合併症気味の孤独と文庫と
電子表示の処方 エンドポイント
裏表紙 二次元半のARコード
読み取って、返却のフォルダに
離れ離れになった人たちと
有線のモニタで話題を繋いだ
加熱された水槽 蒸気 途絶えていくメッセージの意味
久しぶりの返信は「また会おう」だったっけ
答えられる言葉もないから
三点リーダーを繰り返す
ソフトウェア・アップデート 再起動
中断した通話 最後の充電は昨日
気まずさが距離を遠ざける事情
所在ない風のせいで、終日、雨は横殴りの模様
―自動会話に切り替えますか?
―自動会話に切り替えますか?
十数年、長い長い生活のログは
有病率 平均値並みのありふれた苦悩を抱え
厭世観 蔓延る 無意識的ワンルームの隙間で
唯物論を疑うデバイスに信仰は奪われた
旧交を一つずつ途絶えさせて 都市と地続きの孤島の上
重症化した心から順にサインアウトでさよなら
LANケーブル 中低速で行き来するシグナルの果てに
存在しないはずの世界を映し出して笑っていた
貸出を繰り返して すぐに飽和した治療薬はもう効かず
たった一人で生きることに付いて回る倦怠はまるで不治の病だ
入力を急かすように明滅するカーソル 窓を叩く音
夜を濡らす雨、眠りにつく前 伝えたい思いに 涙 溢れた
「ここからはぼくの言葉で語らせてもらえれば」
- 作詞者
宏川 露之
- 作曲者
ein himinn

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ストリーミング / ダウンロード
- 1
明日、嘘をつく
ユキニフル
- 2
放課後の月
ユキニフル
- 3
リング・ワールド
ユキニフル
- ⚫︎
有病率
ユキニフル
- 5
ニューゲーム
ユキニフル
- 6
アイ変わる世界
ユキニフル
- 7
トワイライト
ユキニフル
アーティスト情報
ユキニフル
物語と音楽をコンセプトにしたユニット。 冷たさや儚さで覆われた世界を「雪」に例え、そこに降り積もる"何か"をモチーフに名付けられたこのユニットは、故郷と居場所、後悔と喪失、それでも生き続けるということをテーマに独自の世界観を表現する。 小説とCDが同封される作品は、痛々しくも確かな手触りをもって描かれることで、フィクションであると同時に現実とも通底する圧倒的な詩世界を浮かび上がらせる。
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