27年前の私に送る秋田の詩たち。のジャケット写真

歌詞

生も死も畦道の上

鈴木 諭

幼馴染が

トンボを一匹

捕まえて

四つの羽を

毟って

丸裸にして

コンクリートの上を

歩かせていた

何だか怖かった

何だか怖かった

最後に首を

落とし

鉛筆のような

胴体だけが

残っていた

何だか怖かった

何だか怖かった

トンボが空を飛んでゆく

農作業を終えた

軽トラックのエンジンの音

コンバインが

農道の脇でようやく息をついている

生も死も

畦道の上に転がっていた

幼馴染が

蛙を一匹

捕まえて

爆竹を刺して

木端微塵に

無にしていた

何だか怖かった

何だか怖かった

金魚すくいで

貰った金魚が

数週間すると

いつものように

プカプカと

水槽の中に

浮かんでいた

何だか怖かった

何だか怖かった

蛙が排水路の脇で鳴いている

玄関に転がっていた籾殻

学校帰りのJAの精米機

土地改良区の前に止まった青い軽トラ

生も死も

畦道の上に転がっていた

  • 作詞

    鈴木 諭

  • 作曲

    鈴木 諭

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アーティスト情報

哥処 墨林庵

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