

焼きあがる香りのなかで
窓の外 放課後のチャイム
ひとりきり キッチンのすみに
震える心を包みこんだ
彼のまわりは いつも笑顔
お菓子の山と 人の輪
名前さえ 呼べない距離が
少しだけ切なく光る
泡立て器が リズム刻む
不器用な手に 願いを込めて
ふくらむはずの想いが
しぼんでいく音がした
笑われたって 平気なふり
ほんとは涙 こぼれそうで
でもこの胸に 焼きついたの
あなたのまっすぐな瞳
ぺちゃんこでもいい この想いは
世界でいちばん まっすぐだから
うまく言えない言葉のかわりに
ふるえる手で あなたに渡したかった
帰り道の夕焼け空
影が長く伸びてゆく
もう二度と渡せないって
心が小さくつぶやいた
そのとき聞こえた足音
「これ、君が作ったの?」って
笑顔で頬張るあなたに
時間が止まったみたい
「形なんて どうでもいいよ」
そのひとことが あたたかくて
しぼんだケーキも心も
少しずつふくらんでいった
ぺちゃんこでもいい 想い出は
きっと甘く やさしくなるから
泣きそうな笑顔のままで
あなたと見た 秋の放課後
うまくいかない日々のなかで
信じることを教えてくれた
不器用な愛のレシピには
涙と笑顔が混ざってる
ぺちゃんこでもいい 夢のかけら
真っ白な心で焼いたから
いつか笑って話せる日まで
この想いを大切に包んでおくね
風に乗って香るシフォン
胸の奥が やさしくなる
ありがとう この想いは
きっとあの日のままで
- 作詞者
SMIRE
- 作曲者
SMIRE
- プロデューサー
SMIRE
- ボーカル
SMIRE

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- ⚫︎
ぺちゃんこシフォン
SMIRE
SMIRE – 「ぺちゃんこシフォン」
焼きたての甘い香りのように、胸の奥でじんわりと広がっていく――。
「ぺちゃんこシフォン」は、そんな優しさと切なさをひとつに閉じ込めた青春ラブソングです。
この歌に込めたのは、うまく言葉にできなかった想い。
そして、不器用でもまっすぐに誰かを想う気持ちの尊さです。
物語の主人公は、好きな人に想いを伝えたくて、ひとりキッチンでシフォンケーキを焼く女の子。
けれど、出来上がったケーキはふくらまず、見た目は“ぺちゃんこ”。
それでも彼女は、震える手でそのケーキを包み、放課後の夕焼けの中で彼に会いに行きます。
そんな小さな恋の断片を、SMIREはまるで一本の短編映画のように歌い上げています。
彼女の透明感あふれる声が描き出すのは、特別なことではなく、誰もが一度は感じたことのある“あの日の切なさ”。
その歌声は、まるで時間を巻き戻すように、聴く人を自分自身の記憶の中へと優しく誘っていきます。
SMIREの歌には、いつも“静かな勇気”があります。
強く叫ぶわけでもなく、劇的な言葉で心を揺さぶるわけでもない。
けれど、聴いているうちに気づくのです。
その声の奥にあるささやかな温もりこそが、人を支える本当の力なのだと。
「ぺちゃんこシフォン」は、恋の甘さや痛みだけを描いた曲ではありません。
それは、“うまくいかない日々の中でも、自分を信じて歩いていく勇気”の歌です。
たとえ思いが伝わらなくても、形が崩れてしまっても、
その気持ちが誰かを想って生まれたものなら、ちゃんと輝いている。
そんなメッセージが、歌のすみずみまで息づいています。
音の構成も、まるで手紙を読むように静かに始まります。
アコースティックギターとピアノの優しい響き。
それに寄り添うように広がるストリングスが、心の中の揺れや涙の温度をそっと包み込みます。
サビでは、想いを抑えきれない少女の胸がふわりとほどけるように、
音がゆっくりと空へ舞い上がっていきます。
特に印象的なのは、最後に歌われる“ありがとう”という一言。
それは、恋の終わりを告げる言葉ではなく、
大切な時間にそっと蓋をして、未来へ歩き出すための小さな祈りのように響きます。
SMIREは、この曲を「ありのままの自分を許せる歌にしたかった」と語ります。
「完璧じゃなくていい。
頑張った分だけ、誰かを想った分だけ、心はちゃんとふくらんでいく。
たとえケーキがぺちゃんこでも、想いはちゃんと届くから。」
その言葉の通り、この歌には“失敗の中にある美しさ”が描かれています。
それは、うまくいかなかった恋や、報われなかった努力さえも、
後になってみれば心を優しく包み込む“思い出の香り”に変わっていくということ。
そして、「ぺちゃんこシフォン」は、聴く人それぞれの記憶と静かに重なっていきます。
初恋のあの人を思い出す人もいれば、
昔の自分を励ますように聴く人もいるかもしれません。
どんな形であれ、この曲は“誰かの心の中にある小さな灯”をもう一度灯す力を持っています。
SMIREの歌声は、無理に涙を誘うことはありません。
それでも、気づけば胸の奥がじんわりと熱くなる。
まるで、遠い記憶の中にあった優しい風景を見つけたような感覚に包まれます。
この楽曲を制作するにあたり、SMIREは何度も「静かな感動」という言葉を口にしました。
派手な演出よりも、心の奥で“音が呼吸する瞬間”を大切にしたい――。
そんな彼女の思いが、音の一つひとつに宿っています。
音の立ち上がりは繊細で、余白を生かした構成。
それは、聴く人が自分の感情を重ねる余地を残すためのものです。
音が多すぎると、心が語る隙間がなくなってしまう。
だからこそ、SMIREはあえて静けさの中に“心の鼓動”を響かせました。
「ぺちゃんこシフォン」は、日常の中にある奇跡のような瞬間をそっと照らします。
誰かに優しくされたこと。
誰かの言葉に救われたこと。
そして、自分を少しだけ好きになれた夜。
そのすべてが、まるで温かいオーブンの中でふくらんでいくように、
音の中で静かに息づいています。
ラストに流れる“風に乗って香るシフォン”というフレーズ。
そこには、淡い恋の余韻とともに、
「ありがとう」という想いが光となって未来へ溶けていくような、
SMIREらしい希望の余白が描かれています。
どんな人の心にも、少しだけ“ぺちゃんこ”な気持ちはあると思います。
傷ついたり、失敗したり、思うようにいかなかったり。
でも、それでも前を向いて歩けるのは、
誰かの優しさや、心の中にある小さな夢が、私たちを支えてくれているから。
この歌は、そんな日々の中で頑張っているすべての人へのエールでもあります。
不器用でもいい、形が崩れてもいい、
大切なのは「想う気持ち」。
SMIREはその“まっすぐさ”を歌声に込めて、
今日もまた、聴く人の心にやさしい風を吹かせています。
「ぺちゃんこシフォン」――
それは、涙が笑顔に変わる瞬間を描いた、世界でいちばん甘くてやさしいラブソングです。
アーティスト情報
SMIRE
こんにちは、すみれです!私は「世界中に笑顔とハッピーをお届けしたい」――その一心で、日々活動しています。音楽には、人の心を温めたり、励ましたり、時にはそっと寄り添ったりする不思議な力があると思っています。だからこそ、私の音楽を通して、みんなの心が少しでも明るくなったり、元気になれたりするように、心を込めて一曲一曲を届けています。 毎朝、TikTokにて新しい楽曲をリリースしています。日々の暮らしの中で、ちょっとした癒しになったり、背中を押す存在になったりするような曲をお届けしたいと思っています。特に好評だった楽曲はフルバージョンとして厳選し、より深く楽しんでもらえるようにしています。音楽を通して、みんなと心がつながる瞬間が、私にとって何よりの幸せです。 私の歌を聴いて、ちょっとでも「今日も頑張ろう」って思ってもらえたり、「なんだかほっとするな」と感じてもらえたりしたら、それが私の一番の願いです。どんな日も、音楽がそっと寄り添い、あなたの心を温かく包み込めるように。 これからも、たくさんの笑顔とハッピーを届けられるように頑張ります!ぜひ、私の音楽を聴いて、一緒に楽しい時間を過ごしてもらえたら嬉しいです。いつも応援してくれるみんなに感謝を込めて。ありがとう!
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