※ 試聴は反映までに時間がかかる場合があります。
※ 著作権管理事業者等が管理する楽曲は試聴できません。
この作品は、2つの録音方法による異なる音響特性で構成され、再現可能なノイズミュージックの制作を試みました。11曲が収録されており、8曲目を除く5曲でバイノーラル録音とライン録音が行われています。バイノーラル録音は、シンセサイザーシステムを24チャンネルスピーカで再生して、ダミーヘッドマイクで録音しました。スピーカは、縦140cm、横152cmの長方形を形成するように、スピーカユニットを内側に向けて配置します。ダミーヘッドマイクは、長方形の重心に配置します。上辺と下辺は、それぞれ8つのスピーカで構成され、互いに平行に並んでいます。2入力、8出力のミキサーを2つ用いて両辺に音源を配置します。左辺と右辺の4つのスピーカは、上辺と下辺の頂点のそばに配置したスピーカに隣接して配置します。更に、これらのスピーカから20cmはなれた左辺と右辺に4つのスピーカを配置します。2入力、8出力のミキサーを用いて前後に音源を移動します。但し、ミキサーの出力信号は、同じ信号が2つ出力されます。そのため、左辺のスピーカは、右辺の音源移動と逆に移動できるように配置します。バイノーラル録音をヘッドフォンで再生すると個人差はありますが、音像は頭外定位します。一方、ライン録音で音像は頭内定位します。”Wailing Wall”という曲は、シンセサイザーシステムの白色化フィルタ、サレンキー回路及び、状態変数フィルタを用いて演奏しています。白色化フィルタと状態変数フィルタは2つ用いています。これらの回路は異なるため、音色も異なります。特に、2つの白色化フィルタの出力信号はミキサーに入力して、2チャンネルスピーカの音像または、8チャンネルスピーカの音源を移動させます。これより、斬新な音響を作り出します。24チャンネルスピーカを用いて、上辺の8チャンネルスピーカからこれらの信号を再生して、試聴者にインパクトを与えます。
1966年生まれ。東京で1986年からDissecting Tableという名義でノイズインダストリアルミュージックの制作を開始して、1998年に、故郷の広島に戻り音楽活動している。主に自主レーベルUPD OrganizationとヨーロッパとアメリカのレーベルよりレコードやCD作品を発表してきた。初期、中期の作品は、シンセサイザー、サンプラーをシーケンサーで制御することで作品を制作していたが、2012年頃から、コンピュータでUSB接続デバイスから出力されるPWM信号を制御して音楽制作を行うようになる。現在は、独自のシンセサイザーシステムを開発しながら作品を制作している。
UPD organization