歌詞

結末の情景は

液晶に映された

解釈は及ばない

事象の 深みへ

利便性は曖昧に

自己の一挙の意義を

情報の牢獄

思考を 無慈悲に 沈める

繕う理想 との差異

その顔も見えない

他者の意見のバイアス

有耶無耶にされた動機

いつか燃え上がる感情の抱き方さえ

忘失する

生きとし生けるものは

莫大な時間をかけて

囲まれた世界を擦り(なぞり)

ここに 至る

容積は限りがあって

排除に働く力が

不要な部分を 切り取っていく

意義の根幹を成す情熱を失い

精神はその作用に 打ち消される

反芻する過ち

“承認”という享楽に 憂き身を窶し

迎合する事に対する 抵抗も失ってしまった

渡世を人質にとられ

肯定も否定も口にする事はできないのに

切り取った虚構が 己の思考すら 偽装する

もう疑念を抱くことさえもままならない

まるで多面鏡へ映し出されるように

境界の実態も わからぬまま

煽られる欲に支配され

取り戻す事など出来ない

時間と引き替え続けた

代償はあまりに大きい

しかしこれから訪れる

未来は手の中に在った

どのように振り翳すのかで

過ちは塗り替えられる

抱く理想を現実にする為に

蘇る情熱の火種

痛みを踰越して己より

切り出したものを焚べて

炎を 支えた

情熱には痛みが伴う

それでも擦過の傷痕は

時が経てば前よりも

強固たるものになる

内なる 情火はほとばしる

生み出した輝きが

齎した質量や

自覚した境界が

囚われた信念を

確固たるものにする

何事にも惑わされない

自らを誇示する力

それを手にした今

生命への確信を見抜く