羽音の名残り
微かな波動
残して蜜に酔った母鳥の元へ
噛み付いた
口は離さない
悲劇の終局は突然に
痙攣的に空を突く
紅い庚申薔薇は
じっと身じろぎもせず
恥を知らない太陽の光
眩いほどに白々と
呪いの言葉を吐き俯いては
微かに甘い匂いを放った
花弁を射熱に捻じられながら
毎日、美しく咲き狂う
何故そこまで追われているのか
萎れる様を願うばかりだ
月に願いを
誰が言った
海女が云うた
海女の口引き裂け
濡れそぼる月を
雲めが隠す
忌々しきかな
燻り殺してしまえ
息苦しい光と熱の狭間で
物思いに沈んでいる
醜い節々の固まった脚
まさしく「悪」そのものだろうか
皆の破滅を願う
ただ切実に願う
誰も彼も悲壮に
満ち溢れている
歩みを止めねば
我が止めねば
誰も彼も禍殃(かおう)に
転がり落ちていく
転がり落ちていく
転がり落ちていく
目も当てられぬほど
彼岸にとられる
今にも!
ほらほらあぶないよ!
あらら
我が唄に念持する所
即ち無慙とは程遠く
炯々いひひと耳奥舐める
景福溢るる僥倖の喧風
果たしてそれらの事柄に
何の救いがあるというのか
枯渇から酔生夢死
無為徒食に過ぎる日々よ
清らかな魂を
無垢なる魂を
地の獄の埋み火で
穢してくれよう
博愛は情痴
花弁は淫猥
臓腑の底から
溢れる淫欲の汁
蛮勇は狂気の沙汰
刀圭は屍の山から
現世の描く有様
寄る辺は何処に
奪い奪われ
望む望まぬ
縷々として説く
不条理の世を渡る
ついては遍く
金色の野は
絶望を歌う
その先に「こそ」と
月に願いを
誰が言った
海女が云うた
海女の口引き裂け
濡れそぼる月を
雲めが隠す
忌々しきかな
燻り殺してしまえ
- 作詞
Suicide methods
- 作曲
Suicide methods
蠱毒 の“転がる先、瑞鳥絶えて”を
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