

低い声で
君を呼んだ
部屋の電気を半分だけ落として
壁に映る影をしばらく見ていた
言えることならいくつもあったのに
声にすると全部違う形になった
机の端に置いた鍵が
触れてもいないのに小さく鳴った
あの日の続きみたいな音がして
僕は少しだけ息を止めた
大きな声じゃなくていい
届かなくてもよかった
ただ僕の中に残るものを
確かめるように
低い声で、君を呼んだ
誰にも聞こえないくらいで
忘れたいわけじゃなく
戻りたいだけでもなく
言葉にすれば崩れそうな
あの時間の輪郭を
夜の底でそっとなぞるように
低い声で、君を呼んだ
冷えた床に座ったままで
開けない引き出しを見ていた
捨てるほどじゃないものばかりが
いつまでも場所を取っていた
窓の外で車の音が
遠くへ伸びて消えていった
今ならわかることが増えたぶん
言えないことも増えてしまった
正しさを探すより
静かに置いておきたい
終わったはずの気持ちにも
居場所があっていい
低い声で、君を呼んだ
朝に変わる少し前に
悲しいだけじゃないと
まだ言い切れないままで
触れたらほどけてしまいそうな
あの頃の僕たちを
誰にも見せない場所で抱くように
低い声で、君を呼んだ
もしもいつか
君のことを思い出しても
痛みより先に
静かな光が残るなら
そのとき僕は
失くしたんじゃなく
大切だったものを
ちゃんと持っていたと言えるだろうか
低い声で、君を呼んだ
誰にも聞こえないくらいで
忘れたいわけじゃなく
戻りたいだけでもなく
言葉にすれば崩れそうな
あの時間の輪郭を
夜の底でそっとなぞるように
低い声で、君を呼んだ
低い声で
君を呼んだ
それだけで少し
夜がほどけた
- 作詞者
GREYLINE
- 作曲者
GREYLINE
- プロデューサー
GREYLINE
- ボーカル
GREYLINE

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低い声で、君を呼んだ
GREYLINE
アーティスト情報
GREYLINE
GRΛYLINEは、3人組の男性バンド。 顔や個人像を前面に出さず、音楽と“状態”だけを提示するプロジェクトとして活動している。 作品ごとに声の距離や温度が変わるのが特徴で、 それはキャラクターの変化ではなく、 感情やフェーズによって声の位置が変わるという考え方に基づいている。 内省的な夜を描いた『言えなかったままで』、 日常を肯定する『Clear Days』、 そして身体が先に動く『MOVE FIRST』。 GRΛYLINEは、 考え、立ち止まり、動き出す?? そのすべてを同じ時間軸の中で鳴らし続けている。 姿はシルエットのまま、 音だけが前に進む。
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