歌詞

しろい粒が窓でほどけ

カーテンの端に光が落ちる

床の上に丸い円

陽だまりの中へ手を伸ばす

ねこがその輪に身を丸め

胸の鼓動がゆっくりそろう

指先にとまる柔らかさ

深く息して目を細める

ゆきのひだまりを胸にあつめ

きょうの言葉をほどいていく

やわらかな灯りのリズムのままに

あしたの入口を見つけだす

カップの湯気が丸くのぼり

本の見返しが金色に揺れる

ねこのひげがきらり光って

笑みがひとつこぼれ落ちる

ひと呼吸して肩を落とせば

遠い踏切が一度だけ鳴る

ゆきのひだまりを胸にあつめ

言葉はそっと澄んでいく

白い余白のぬくもりだけ

胸にしまってページをめくる

時計の音が昼を運び

影の輪郭が薄くなる

ねこがしっぽで前をさして

午後の続きへ誘ってくれる

名前のない安心だけが

部屋のまんなかに灯っている

「きょうはここでいいよ」と

小さな声が胸に灯る

ゆきのひだまりを胸にあつめ

きょうのページをとじていく

やさしい灯りに手をひかれて

あしたのページをひらいてく

同じテンポでならぶ心拍が

静かな終止にほどけていく

陽だまりの輪が少し伸びて

ねこと「またあとで」とささやく