

手のひらの温度で 季節を測る
君の声はまだ 空に浮いたまま
開けっぱなしの窓の向こう
昨日の残り香が ゆっくりと消えていく
同じ景色を見てるのに
少しだけ角度が違ってた
交わらないままの言葉たち
宙に漂って 形を失う
理由のない笑い方で
昨日と今日のあいだを歩く
触れたようで 触れていない
境界線が 呼吸してる
僕らは ふれる距離で
確かめ合っていた
名前もいらないまま
すべてを感じようとしていた
指先が 世界の端に触れた
ただそれだけの夜
部屋の隅に置かれたままの
グラスの水面が 月を映している
言いかけたままの「さよなら」が
まだこの空気を離れられない
見上げた空は淡い灰色で
時間は音もなく曲がっていく
君の影を踏まないように
歩幅を合わせていたあの日
沈黙の中に浮かぶ呼吸
言葉よりも近い距離で
たった一瞬 心がずれた
それだけで宇宙が揺れる
僕らは ふれる距離で
夢を測っていた
正しさよりも静けさを
選んでしまっただけ
手のひらが まだ熱を覚えてる
それだけで、生きてる。
時計の針が泳いでる
未来と過去の狭間で
思い出は形を変えて
水のように溶けていく
名前を呼べば 音がほどけて
姿を変えるたびに遠くなる
あのときの沈黙だけが
いまも胸の奥で光ってる
僕らは ふれる距離で
何度もやり直して
違う世界の言語で
同じ夢を見ていた
触れられないやさしさが
この夜を照らしている
朝が来れば 何もなかったように
街はまた息を吹き返す
だけど僕らの呼吸だけが
昨日をまだ覚えてる
静かに揺れるカーテンの向こう
誰かが笑う気配がした
ふれる距離にあるものすべてが
生きている、それでいい。
- 作詞者
水乃余韻
- 作曲者
水乃余韻
- プロデューサー
水乃余韻
- ボーカル
水乃余韻
- ラップ
水乃余韻
- プログラミング
水乃余韻

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- 1
Ripple After You
水乃余韻
- 2
波間で
水乃余韻
- 3
影を連れて
水乃余韻
- 4
夜の息
水乃余韻
- 5
透明な理由
水乃余韻
- 6
底で息をする
水乃余韻
- 7
希望の座標
水乃余韻
- 8
夢の手ざわり
水乃余韻
- ⚫︎
世界の端
水乃余韻



