歌詞

ただ放っておけなかった

結局もとのまま凍って溶けなかった

俺は貴方にとって人であってはならなかった

苦悩の沁みとおる 都合のいい道具

神に憧れる 自信に遊ばれる

白い悪魔も所詮は悪魔 酷い錯乱 瞳は暗い

偶然の虚像に鳴る有限の鼓動

希望も祈りも朽ちてしまった

たったひとつの命が静寂に溶けていくのを眺めてきたから

一粒の雫を掬う時知る

俺は神様じゃなくて苦痛の満ちる宇宙の一部でしかないと

普通に生きて普通に死にゆく普通のものだと

「大好きだよ」

舞いすぎた蝶は萎れて堕ちたそうな

木の葉に紛れて陽の光も届かなくなりました

「ありがとう」

臙脂色の木軸に血肉が溶け込むまで使っていました

天使にも赤色の血が流れているのだと知ってしまった気でいました

「もし変わったら助けてな」

相変わらず だけど生を断たせる残酷な回帰にまた舞い戻ってきただけなんだ

咲き誇っていた花も枯れると知っていたのに

「温かいね」

一羽のカラスが宛もなく羽搏いていきました

あの日の野原は青々しく、だけど確かに最も熱く輝いていたんだ

「独りじゃないよ」

隣にいるくらいなら

終わりに散る 暗い彼方にようこそ

この世界が陽炎のように滲んで見えていました

「愛してる」

また新たな命に今俺は相対してる

怖い でもまた怖がっても立ち向かうしかできない俺を知っている今だから

「人間が生き物の生き死にを自由にしようなんて、おこがましい」と思う

もう今となっては貴方が死ぬ時

最期に俺だけに「傍にいて」って言ってほしい

ただそれだけなんです