歌詞

いつもの店の角に　小さく佇む君

約束の時間は　とっくに過ぎていた

「ごめん、仕事で…」　言いかけた言葉

君は聞かずに遮った

「私のことなんか全然考えてないよね？」

怒った悲しげな声が　胸の奥に刺さる

「あなたには ついていけない」

最後の言葉が 切れた電話に残った

もっと君に寄り添えていたのなら

僕たちの関係も変わってたのかな

だけどもう時間は 戻すことができなくて

呟いた君の名前は 夜の風に消えた

終電間際のホーム　ネクタイを緩めて

目を閉じれば　君の笑顔が浮かぶ

右手に残る君の手の感触を思い出し

鍵を握って誤魔化した

「忙しい」は言い訳　わかっていたのに

後悔するなら　もっと寄り添えばよかった

だけど 仕事をおろそかにすること

僕にはどうしてもできなかったんだ

「結婚するって」 友達からの言葉

君の近況に　思わず息が詰まった

祝福するべきだと　頭ではわかっているのに

心の奥を締め付けて　割り切れずにいた

僕が好きだった　あの笑顔

今の君が笑っているのなら

僕も前を向いて歩き出そう

「おめでとう」 見上げた空に そっと呟いた