夕焼けの色を落としたパレット
混ざりあってまた、
空が移ろっていった
こんな絵ばっかじゃ変われない
いや、分かってるけど
これしかないや
わたしにとって一番の
美しく鮮明な記憶
初夏の残り香に騙され
指先の凍え 気付けずにいたんだ
君が唄ったその唄も
暖かくなくなっていったんだ
いつからだろうこの手が
醜いことばかりを
惰性で描いていた
好きでもなくなっていた
居場所捨て歩いてく
君だけが夏の太陽に
奪われていく
音が止んでいく
窓を開けた 飛行船が飛んでいた
一羽になった鳩に願い託した
ナイフになった絶望が
はらわた抉る絵の才能があった
描きたかったのは君と
黄昏が飲み込んだ街だった
乾いた絵の具は戻らない
続きを描くことはないと分かった
読めずにいた手紙を開け
君がいないと認めてしまった
"拝啓、僕は君が
絵で暮らしていけると
そのときの表情が
未だに離れないんだ
僕だけが君のこと
理解してたつもりだった
何を言いたくて
俯いていたの?"
目がなければ 夢見なかったのに
夕刻を告げるメロディ
夏 溶けるように
幽冥の街 歩く
アスファルト灼けて 眩暈
靉靆な表情で
辿り着く 記憶の園
黒く塗りつぶされた
歌声が虚空の空に
飲み込まれていく
音が止んでいく
世界が歪んでいく
心臓が止んでいく
- 作詞
さはく
- 作曲
さはく
クラガリ の“落日の園”を
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