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スタジオの華美な装飾や最新のピッチ補正(オートチューン)を極限まで削ぎ落とし、生活の息遣いと玄関先の日常をクローズマイクで生々しくパッケージングした、BPM80(Fメジャー)のエクストリーム・ミニマリスト・オーガニック・ポップです。楽曲の前半は、グリッド(メトロノーム)に縛られない素朴なアコースティックギターの指弾き(フィンガーピッキング)と、語りかけるようなモノローグ(朗読に近いボーカル)だけで静かに展開。ヴァース2から、うねるように温かいフレットレスベースの低音が加わり、プリコーラスで静かに滑り込んでくるブラッシュドラムのシャッフルが、焦る歩幅と不器用な日常の愛おしさを表現しています。
ボーカルは、言葉のニュアンスを最優先するためにすべてひらがな表記で構築された、極めて親密な距離感(プロキシミティ・デザイン)の男性リード。派手なサビ(J-POP特有の音圧や高音の張り上げ)を完璧に拒絶し、フックに達すると、ごく自然にハミングから美しい歌唱へと移行する構成が、聴き手の鼓膜に直接触れるような実存感をもたらします。中盤のブリッジではすべての楽器が一度引き算(サブトラクション)され、声とギターの単音だけになることで、10年経っても変わらない二人の関係性をエモーショナルに浮き彫りにします。最後はフェードアウトによる誤魔化しを排し、ギターの最後の1打が短く減衰した瞬間、部屋の環境音(ルームノイズ)ごとスパッと完全な真空の静寂へと遮断される幕切れが、息をのむほどにリアルで美しい余韻を残す名作です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。