夢見さえ煩うような
マザーの声に急かされて
今朝方の陽光は
影と見紛うほど淡く
花見さえ恥じらうほどの
マザーの声に程遠く
いま宵の月影は
夢見と紛うほど白く
母はもう帰らず(母はもう生きられず我が子を)
闇に捨てられ(病に冒され一人で)
地に伏し泣き縋り(子に詫び泣き縋りすまぬと)
寺に行き(家を出てわがこよ)
マザー 今どこで生きてるの(母の願いは)
マザー 今誰と過ごしてる(ただ強く生きて)
アザー 他の物の助けはなく(幸せな家族と)
マザー ただ僕を置いていき(ともに)
日暮れさえ気にかけまいと(日は巡りて)
マザーの声から遠ざかり(もはや老いて)
夢を追う僕の枕に(子の顔さえ)
夢見を紛うほどの涙(わからぬ)
家なき子らと住み(家なき子らの家に)(母は今なお)
母を乞う子らと泣き(母をなくし来た子は)(我が子を夢見て)
あの子のためと誓い(わたしのためと誓い)(寒くはないかと)
寺を出て(寺を出て)(思い)
マザー あの子が泣いているよ(母の祈りは)
マザー 僕の手を引きながら(愛すべき人を)
アザー あの子の母は何処に(決して見捨てず)
ネバー 僕らは戻らない(ともに)
サパー ただ一つパンのみの(ただ一つ気に病むのは)(ただ一つ)
ビター カビの味さえ至福として(彼の母様のこと)(聞く話には)
マザー 二人ならどこまでも(探し出した老いた人は)(結ばれる二人が)
マザー まだ ただ道に声を消し(ただ道に声もなく)(わが子だと)
マザー 嗚呼
マザー 健やかなるときも(母の願いは)
マザー 貧しき時もなお(ついに果たされて)
マザー ただ一つパンを分け(二人で幸せに)
マザー あなたの子としていく(おなり)
日の出さえ煩うほどの
日々の暮らしに急かされても
今朝母の温もりは(今朝母は満たされ)
頬を伝うほど淡く(案ずることなく)
命通うその腹に(静かに)
確かに流れるほど熱く(眠りぬ)
- 作詞
ゴン
- 作曲
ゴン
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mother
HARUKA
自作小説『mother』内の歌詞部分をボカロ四重唱歌唱させたものです。
作中旋律にカッチーニのアヴェ・マリアの旋律を一部引用しています。