

「ちょっと寒くない?」って君が言う
半袖の僕を見て笑う
「昼は暑かったんだよ」って
言い訳しながら歩いてく
君は袖に指を隠して
「風邪ひいても知らないよ」
そんな何気ない言葉さえ
今日はなんだか嬉しくて
「あ、金木犀」って立ち止まる
少し遅れて僕も気づく
「秋だね」って笑った君を
なぜかずっと見ていた
もうすぐ誕生日だね
「歳を取るだけだよ」って
君は笑っているけれど
僕には大事な日なんだ
君が生まれた十月を
僕は好きになっていく
優しい風も 夕暮れも
全部 君に似てるから
少し寒い帰り道
君の隣を歩きながら
秋が好きなんじゃなくて
君がいる秋が好きなんだ
君が生まれた十月が
今年もまた好きになる
「もう暗いね」って君が言う
「まだ五時だよ」って僕が言う
青とオレンジの空の隅
小さな星が光ってる
「晩ごはん何がいい?」
「なんでもいい」
「それが一番困るんだよ」
そんなくだらない会話にも
幸せって隠れてるんだな
遠くへ行かなくてもいい
特別なこともしなくていい
君と並んで帰るだけで
今日が少し好きになる
「来年も覚えていてね」
「忘れるわけないだろ」
そう答えた僕のほうが
来年を待ち遠しく思った
君が生まれた十月を
僕は好きになっていく
長くなる夜 冷たい風
全部 君に似合うから
何年先の帰り道も
君の隣を歩けたなら
秋が好きなんじゃなくて
君がいる秋が好きなんだ
君が生まれた十月が
僕には少し特別なんだ
「春は?」
「君がいれば好き」
「夏は?」
「たぶん好き」
「冬は?」
「きっと好き」
「じゃあ秋だけじゃないじゃん」って
君が笑う
そうだね
たぶん僕は
季節じゃなくて
君が好きなんだ
君が生まれた十月を
僕はずっと好きでいたい
今年も来年もその先も
同じ話で笑いたい
少し冷たい風の中
同じ歩幅で歩きながら
秋が好きなんじゃなくて
君がいる秋が好きなんだ
君がひとつ歳を重ねて
僕も少し歳を取って
それでも変わらない声で
「おめでとう」って言えたらいい
君が生まれた十月が
今年もまたやってくる
君と出会えたその日から
僕の好きな季節になった
- 作詞者
中村 英彦
- 作曲者
中村 英彦
- プロデューサー
中村 英彦
- ボーカル
中村 英彦

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君が生まれた十月
中村 英彦



