No Pastのジャケット写真
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2年ぶりとなる新曲「No Past」は、作詞家・アーティストとして活動するロースケイが自身の声で“いま”を歌う作品。
これまで数多くのアーティストに詞を提供してきた彼が、あえて自らマイクの前に立ち、「過去も未来もなく、いまだけを生きる」という哲学的なメッセージを真正面から伝える。

サビではこう歌う。

「過去は無い 頭ん中以外
それは君が与えただけの解
今だけだ 唯一の抱き合いたい相手は
未来もまだ何もない
すべて分かった気でいるのかい
今だけだ 砂時計の中から 一粒だけが光ってんだ」

メロディは明るく、軽やかで、耳に心地よい。
けれど、歌詞の芯には“時間”や“存在”についての深い問いが潜む。
聴き手に「自分はいま、どこにいるのか?」を静かに突きつけながらも、
その瞬間を肯定し、前に進む勇気を与えてくれる曲だ。

サウンドは、ドラム・ベース・ギター・ピアノ・エレピ・オルガン・ホーンセクションといった生楽器風のDTMアレンジ。
70〜80年代のソウル/R&Bの温もりを感じさせつつ、現代的なグルーヴでまとめあげている。
その根底には、彼が敬愛するアメリカのバンド「LAWRENCE」のような、明るさと情熱が同居するR&Bサウンドへの憧れがある。

歌詞面では、ロースケイの持ち味である「母音の響き」「語感のグルーヴ」が細部まで設計されている。
日本語の中にリズムを宿らせ、言葉そのものが音楽として踊る。
その“気持ちよさ”こそが、彼の作詞家としてのアイデンティティであり、
この曲ではそれを自分の声で実証している。

ミュージックビデオは、本人が歌う姿を前面に出した初の作品。
爽やかで誠実なパフォーマンスの中に、
2年間の沈黙を破るようなエネルギーが詰め込まれている。

「No Past」は、過去や後悔を手放し、
まだ見ぬ未来に過剰な意味を求めることもやめ、
“この瞬間”にだけ誠実であろうとする意思の歌だ。
ポップでありながら、哲学的で、聴くたびに新しい発見をくれる。
時間に縛られたすべての人へ送る、いまを生きるためのアンセム。