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JPO RECORDINGS(JPO of JAPAN )
日本フィル正指揮者、山田和樹が伝える日本。 コロナ禍で生まれ、届けた日本人作曲家作品への想い
五十嵐琴未氏の新曲「櫻暁(おうぎょう) for Japan Philharmonic Orchestra」は第723回東京定期演奏会(2020年9月)のために作られ初演された。コロナ禍で桜を愛でる機会も損なわれた年に生まれた抒情的な小品で、当時の聴衆の心情に温かく寄り添った。
水野修孝の代表作「交響曲第4番」は大編成のためにコロナ禍での演奏を延期、第733回定期演奏会(2021年9月)に満を持して演奏された。 氏の創作上の足跡を辿るかのように、現代の多様な音楽のジャンルを巧妙に融合させ、聴く者にとっては贅沢、古くて新しい「交響曲」のダイナミックな姿を楽しめる。 日本人作曲家の作品に貪欲な山田和樹ならではの選曲、世代の離れた2人の作曲家に共通して感じる日本の美意識。オーケストラの多彩な魅力を感じ取れるカップリングである。
日本フィルハーモニー交響楽団のオリジナルレーベル「JAPAN PHILHARMONIC ORCHESTRA RECORDINGS」は「JPO HISTORICAL」「JPO of JAPAN」「JPO NOW」の3本柱でライブ演奏音源を販売いたします。この音源は、日本人作曲家の作品を積極的に取り上げる「JPO of JAPAN」の第1弾配信です。今だからこそお贈りする、ヤマカズ×日本フィルならではの極上プログラムをお楽しみください。
【五十嵐琴未】 桐朋女子高等学校音楽科 (男女共学)ピアノ科、桐朋学園大学音楽学部作曲科卒業。同大学研究科を修了。作曲を鈴木輝昭、ピアノを小森谷泉、LaurentTeycheney の各氏に師事。 2019 年度朝日作曲賞公募にて混声合唱とピアノのための組曲「よひやみ」が佳作入選。樹の会、21世紀の合唱音楽を考える会 合唱人集団「音楽樹」会員。日本作曲家協議会会員。叡明高等学校合唱部トレーナー。桐朋女子高等学校音楽科教諭、桐朋学園大学音楽学部非常勤講師。
【水野修孝】 1934年2月24日徳島県生まれ。指揮者、作曲家。東京芸術大学音楽部を卒業。渡辺貞夫からジャズを学ぶ。73~74年にロックフェラー財団の招聘により米国で作曲活動を行なう。宮間利之ニュー・ハードと共演したアルバム『ジャズ・オーケストラ'73』『同'75』で絶賛を博す。知名度は世界的に広がり、彼の作品は日本のみならず世界各地のオーケストラからとりあげられている。90年代の末頃は、ミュージカル界に新風を巻き起こした。交響曲第4番は2003年作曲。水野が自らの音楽の原点に返り、交響曲という形式を通して様々な音楽の喜びを私たちに伝える大作。
【山田和樹】第51回(2009年)ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。ほどなくBBC交響楽団を指揮してヨーロッパ・デビュー。同年、ミシェル・プラッソンの代役でパリ管弦楽団を指揮。以降、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン)、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団、ベルリン放送交響楽団、エーテボリ交響楽団、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団など世界の主要オーケストラに客演を重ねている。
2017年にはベルリン・コーミッシェ・オーパーで《魔笛》、モンテカルロ歌劇場で《サムソンとデリラ》を指揮して高い評価を得るなど、オペラの分野でも活躍。
2014/2015年にアメリカ・デビュー、2015/2016年にはオセアニア・デビュー。
2021年にはサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団デビューを成功させ、再客演が予定されている。
2012年から2018年までスイス・ロマンド管弦楽団の首席客演指揮者を務めた他、2016/17シーズンから、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団芸術監督兼音楽監督に就任。2018/2019シーズンから首席客演指揮者を務めるバーミンガム市交響楽団では、2023年4月から首席指揮者兼アーティスティックアドバイザーに就任することが発表された。
日本では、日本フィルハーモニー交響楽団正指揮者、読売日本交響楽団首席客演指揮者、東京混声合唱団音楽監督兼理事長、学生時代に創設した横浜シンフォニエッタの音楽監督としても活動している。
小澤征爾氏の信頼厚く、2010年に指名代役としてスイス国際音楽アカデミーを指揮。以降参加を重ねる他、2012年にはサイトウ・キネン・フェスティバル松本でオネゲル作曲《火刑台上のジャンヌ・ダルク》を指揮、同時期にサントリー芸術財団サマーフェスティバルでクセナキス作曲《オレステイア三部作》を指揮し、獅子奮迅の活躍が注目された。2014年7月にはスイス・ロマンド管弦楽団15年ぶりとなる日本公演を、2016年にはバーミンガム市交響楽団日本公演を成功に導いた。
東京藝術大学指揮科で松尾葉子・小林研一郎の両氏に師事。出光音楽賞、渡邉暁雄音楽基金音楽賞、齋藤秀雄メモリアル基金賞、実行委員会代表を務めた『柴田南雄生誕100 年・没後20年 記念演奏会』が平成28年(2016年)度文化庁芸術祭大賞、日本フィルハーモニー交響楽団と3年に亘り行った『山田和樹マーラー・ツィクルス』が第67回(2017年)芸術選奨文部科学大臣新人賞など受賞多数。
2019年には世界各国206の国歌を現地語でレコーディングするという“アンセム・プロジェクト”を東京混声合唱団と完結しキングレコードからリリースした他、オクタヴィア・レコード、PENTATONE、EXTON、日本コロムビア(DENON)などから多くのCDを発表。
著述に『「超」音楽対談 オーケストラに未来はあるか』(対談・アルテスパブリッシング刊)、『「自由」の危機 ―息苦しさの正体』(論考集・集英社新書)などがある。
本質に迫るとともにファンタジーあふれる音楽づくり、演奏家たちと一体になって奏でるサウンドは、音楽の喜びと真髄を客席と共有し熱狂の渦に巻き込む。名実ともに日本を代表する人気マエストロである。
ベルリン在住。公式twitter @yamakazu_takt
(2021年9月現在)
1956年6月創立、楽団創設の中心となった渡邉曉雄が初代常任指揮者を務める。当初より幅広いレパートリーと斬新な演奏スタイルで、ドイツ・オーストリア系を中心としていた当時の楽壇に新風を吹き込み、大きなセンセーションを巻き起こした。1962年には世界初のシベリウス交響曲全集(渡邉曉雄指揮)を録音。また、イゴール・マルケヴィチ、シャルル・ミュンシュなど世界的指揮者が相次いで客演、1964年にはアメリカ・カナダ公演で大成功を収め、創立から10年足らずの間に飛躍的な発展を遂げた。 また2008年から8年間にわたり首席指揮者を務めたロシアの名匠アレクサンドル・ラザレフとともに2011年には香港芸術節にも参加。アジアへとその活動の場を広げ、演奏面でも飛躍的に演奏力が向上したと、各方面より高い評価を得た。ラザレフとは2018年5月の第700回東京定期演奏会でストラヴィンスキー《ペルセフォーヌ》の日本初演も行っている。 2016年より首席指揮者を務めるフィンランドのピエタリ・インキネンとは、日本フィルの伝統でもあるシベリウスに加え、ドイツ音楽の真髄に迫るプログラムを主要なレパートリーとして深める。特に創立60周年に演奏したワーグナー《ラインの黄金》全曲演奏は、日本フィルの新たな一面を全面に打ち出し、大きな話題となった。2019年4月には13年ぶりのヨーロッパ公演を行い、外交関係樹立100周年を迎えるフィンランドを初めて訪れたのをはじめとして、ドイツ、オーストリア、イギリスで10公演をおこなった。 創立期から始められた「日本フィル・シリーズ」は、日本の音楽史上でも例のない委嘱制度として幅広い層の邦人作曲家への委嘱シリーズで、現在までに42作が世界初演されており、すでに“古典”と呼ぶにふさわしいポピュラリティを獲得したものも少なくない。 現在、日本フィルは、質の高い音楽を届ける「オーケストラ・コンサート」、音楽との出会いを広げる「エデュケーション・プログラム」、音楽の力で様々なコミュニティに貢献する「リージョナル・アクティビティ(地域活動)」という三つの柱に加え、2011年の東日本大震災以来継続的に行っている「被災地に音楽を」届ける活動を行っている。これらを通し、“音楽を通して文化を発信”していく。
JAPAN PHILHARMONIC ORCHESTRA RECORDINGS