微睡
霞むように溶ける朝が
私を置いていこうとして
「今日」から逃げるように
また眠りにつく夜明け前
踊るように揺れる波が
心臓と共鳴している
記憶はまた燃えていく
硝子のように
綺麗なまま残して
大人になった
光るこの瞳に映るものすべて
きっと本当はただのガラクタ
君が見る世界の台本を
知りたかった
だけだった
流れていく春は
またこの手で触れられない
まどろむ中また思い出す
苦くて甘い
あの熱を思うたびに
少し背伸びをした踵のまま
息をしている
君がどこの誰でいても
そんなことどうでもよかった
ただ二人の影を
追うだけでよかった
まるで火花のような日々が
水の中泳いで果てるまで
ただ、あの雲を仰いで
生きていくのでしょう
流れていく春は
またこの手で触れられない
まどろむ中 また思い出す
淡くて憂い
あの花が咲くたびに
少し背伸びをした踵のまま
息をしている
まだ息をしている
- Lyricist
Shino Harukage
- Composer
Shino Harukage
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Madoromi
Shino Harukage
短編映画「あの花が咲くたびに」主題歌。