Lyric

黄色く染めた光をはなつ

やわらかな気持ちのお月様が

まだ葉をつけていない木と

電柱の間に、顔をだす

まっすぐに線を、引くみたいに

雲が、すぐ下側を通り抜け

落ち着いた温かさを見せている

夕焼けと、すこし気持ちが似ていて

もっと、静かなひかりの色

どこからか、届く

春の香りに

いまの気持ちが

また、美味しくなる

途絶えていたものが

動き始める

小さく、緻密で、深いもの

時に応じて、強くなるもの

そんなものが、頭に満ちて

豊かな色彩のなか、安らいでいる

色と香りの、描きだすもの

誰にも描けない、絵のように

色で語れぬ

色があるなら

今を見ている

その人の中

春と冬が、混ざり合うころ

花たちがくれる清洌な、香り

冷たい風に

織り込まれてる

暖かな一筋の

風のように

重なるすべてが

色を重ねてく

映しだす色に

染まる鏡のように

豊かな何かが

胸のなかで

また、息をする

暖かく、柔らかく

見守るように

いつも違った、顔をしながら

いつも、変わることのない

嬉しい、香りのような

黄色にくすむ

まるい月