言ノ葉廻りのジャケット写真

歌詞

三十重

LUMI和音

まだ名も知らぬ 幼い肩へ

誰かがそっと ひとひらを置いた

声をしまえば 褒められるから

笑う形だけ 先に覚えた

冷たいはずの その内側は

涙を隠す 小さな部屋で

誰にも見えず 泣けることさえ

あの日の私には 救いだった

重さも知らず

歩いていた

これが私の

肌だと思って

一重 二重と 夜を纏って

見えない場所に 花を咲かせた

綺麗でしょうと 笑ってみせて

棘の痛みは 飲み込んだ

触れないで

剥がさないで

それでもどうか 気づいていて

この微笑みの ずっと奥で

小さな雨が 止まないこと

ある日あなたに 素肌を見せた

あまりに身体が 軽くなりすぎて

歩き方さえ 分からないまま

覚えたことない 足取りで舞った

歪んだ影を 見つめる瞳

その眼差しだけ 覚えている

慌てて拾った 昨日の欠片

震える指で また身に纏う

戻るたびに

棘は深く

赤い花びら

足元に散る

一重 二重と 夜を重ねて

聞こえぬように 声を沈めた

強いでしょうと 笑ってみせて

傷の数だけ 綺麗になった

信じないんじゃない

言えないんじゃない

一度ここから 出たことがある

だから今では

扉の場所も

自分でさえも 分からない

降り続けていた雨は

いつしか足首を越えて

胸まで満ちて

喉まで満ちて

息を吸うたび

水音がする

叫んでいるのに

誰も振り向かない

外では今日も

私が笑っている

一重 二重と 朝を拒んで

数えることも とうにやめた

折れそうな脚 もう一度立て

笑った面を 空へ向ける

「軽くなれば」と

誰かは言った

その手は留め具に 触れもしないで

脱ぎたいよ

怖いんだよ

どちらも本当の 声なのに

誰にも届かぬ

この水底で

今日も静かに 息をする

いつからだろう

肌より近く

私になった この重なり

名前をつけるなら――

三十重

……重いよ

  • 作詞者

    LUMI和音

  • 作曲者

    LUMI和音

  • プロデューサー

    LUMI和音

  • ボーカル

    LUMI和音

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アーティスト情報

LUMI WAON RECORDS

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