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「無」の境地に達するために聴きたいピアノコレクション。禅とは「心」の別名だという。そもそも人間の心というもの、清浄なものであったのだが、さまざまな欲求が生じ、自らの都合や立場を優先しくもりがちになってしまう。そこで禅の出番だ。禅の「ほとけ」の考え方では、心の働きには「智慧」と「慈悲」があり、自分とは違う相手を許し認めることがあるという。その自他の距離・境界を越えるためには、自分自身を空しくすること…「無」の境地が求められる。その境地に達するためには禅による修業が必要となる。その修業はもちろん生半可なものではないが、今作『Zen Piano: Sanctum』を聴いて、聖域と呼ばれるその境地にまで達したい。
αWave Records