

「いつか上からこの街を見下ろしたいね」
って君は言っていた。
一緒に行こう。あの塔の上まで。
無限の白色は、街から、世界から、体温を奪った。
僕らとあの塔が奪われなかったのは、偶然か。必然か。
積もり固まった雪に、足が沈む。
歩きにくい。
雪には慣れているつもりだったのにな。
隣を歩く君は、笑顔で僕に話しかける。
「これだけ雪があったら、かまくらいっぱい作れるね!」
って。
思えば、君は昔からそうだったね。
僕の手を引いて、楽しい方へ連れて行ってくれるのは、
いつも君。
ある日は、ケーキの美味しかった喫茶店に。
ある日は、可愛いお洋服のお店に。
ある日は、絶好の日向ぼっこスポットに。
ある日は、終わりから、離れる方に。
あの時離れた手は、
もう二度と繋げないと思った。
でも、君はもう一度僕の目の前に現れてくれた。
「また一緒に行こう!」
って、言ってくれた。
ああ、やっぱり、君がいなきゃ楽しくない。
死んだ世界で二人きり、この世界は僕らだけのものだね。
随分、上のほうまで来た気がする。
雲が近くに見える。
この塔って、こんなに高かったんだ。
こうなるくらいなら、もっと前に、
エレベーターがあるうちにこればよかった。
でもいいんだ。
君が楽しそうだから、僕も楽しい。
やっと、やっと見えたのは、塔の一番上。
あたたかな光が差しているこの場所は、天国にも見えた。
君は、柵にもたれかかって楽しそうに笑っている。
「ここまで連れてきてくれてありがとう」
「あのね、もう一つしてみたかったことがあるんだ。」
「ここから、空を飛んでみたいの!」
「……そうだね。空を飛べたら、楽しそう。」
「ごめんね。私、君を置いて行っちゃって……」
「でも、もう大丈夫だよ。」
「一緒に行こう!」
ああ、やっぱり、
君は、いつも楽しい方へ連れて行ってくれる!
君の手を取って踏み出した先には、足場などなかった。
- 作詞者
水無月まーる
- 作曲者
水無月まーる
- プロデューサー
水無月まーる
- その他の楽器
水無月まーる

水無月まーる の“高い塔の下で発見された生存記録 No.00 (feat. 足立レイ & 九十九シオン)”を
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高い塔の下で発見された生存記録 No.00 (feat. 足立レイ & 九十九シオン)
水無月まーる


