

冷たい空気をそのまま吸い込んで
少しだけ肺が軽くなる感覚のまま歩いてる
名前もついてない夜の匂いがやけにリアルで
なんでもないはずの道なのに一歩ごとに何かを思い出してる
ネオンは強くないのにぼやけて滲んで
ピントが合わないままでも全部わかる気がしてる
誰かがここを好きだった痕跡がそのまま残ってて
整えられてないのに妙に落ち着くのはそういうことなんだろうなって
角を曲がると光が少しだけ変わって
映画館の灯りが呼吸みたいに点滅してる
意味なんて考えてないのに胸に引っかかる感じが消えなくて
ああこういうのって作ろうとして作れるもんじゃないよなってぼんやり思う
笑い声とかグラスのぶつかる音とか
くだらない話をしてたはずなのにやけに鮮明で
その場ではなんとも思ってなかった瞬間があとから価値を持つのってずるいよなって
足音と一緒に記憶が少しずつ浮かんでくる
砂利が鳴るたびに別の夜に繋がっていくみたいで
川の音が遠くで混ざってリズムになる
話してなくても満たされてたあの感じとか
横にいた人の体温とか
今思えば全部ちゃんと好きだったんだなって
気づくけどそのときはそんなこと考えてなかった
今なら死んでもいいかもなんて軽く思えた夜のこと
嘘じゃなかったけどもう同じ温度では二度と感じられないんだろうなってわかってる
善光寺の裏に回ると影が長く伸びて
街灯の下で時間だけが少し歪んでるみたいに見える
あの公園もまだそのままで
動物たちは何も知らない顔で眠ってて
変わったのは自分たちだけなんだなって妙に納得する
昔のことを思い出してるっていうより
そのときの自分の感覚をもう一回なぞってる感じに近くて
だからこんなに重いのかもしれない
三軒目まで行った夜のことも浮かぶ
父親が気持ちよさそうに笑ってた横顔とか
そのときはただ楽しいだけだったのに今思い返すと少し切なくなるのは
同じ時間がもう戻らないって知ってしまったからで
この前会ったときの少し疲れた感じと重ねてしまう自分がいて
分かってるのにどうしようもなくて
でもそれも含めてちゃんと今なんだなって無理やり飲み込む
派手じゃないし特別なことなんて何も起きてないはずなのに
この街の空気はずっと身体に残ってて
うまく言葉にできないまま胸の奥で揺れてる
戻りたいわけじゃない
でも手放したくもない
断片のままでいいからこのまま持っていたい
そんなことを考えながらただ歩いてる
夜は相変わらず静かで
何も変わらない顔をしてるけど
確かにここにはまだ残ってる
あの頃の温度がそのまま少しだけ
- 作詞者
TOKYO CHILL LAB
- 作曲者
TOKYO CHILL LAB
- プロデューサー
TOKYO CHILL LAB
- 共同プロデューサー
Keisuke.T
- ボーカル
TOKYO CHILL LAB
- プログラミング
TOKYO CHILL LAB

TOKYO CHILL LAB の“シネマ 8”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード
- ⚫︎
シネマ 8
TOKYO CHILL LAB
アーティスト情報
TOKYO CHILL LAB
日常を映画にする音楽。
TOKYO CHILL LABの他のリリース



