

宵の瓦を 月が滑る
ひげの先には 風の地図
名を持つくせに 名を捨てて
マタタビの香る 方角へ
肉球で町の 雑音を消し
格子の影を 縫って歩く
瞳の裂け目に 灯を畳み
人の眠りを 跨いでいく
塀へ頬寄せ 匂いを置き
昨日の自分へ 道を残す
追えば遠のき 忘れれば寄る
距離の掟は 猫が書く
フェリス
カトゥス
古い契約
人に飼われて
夜を飼う
猫 流離うマタタビ
帰る場所なら 幾つもある
どこにも属さず どこかに馴染む
月の縁側を 渡っていけ
マタタビの葉に 頬を寄せ
世界の輪郭が 少しほどける
舐めて 噛んで 香りを起こし
背を地に預け 月へ転がる
その香はやがて 毛並みに残り
夜の羽虫を 遠くへ退ける
何事もなかった 顔に戻って
また細い路地へ 影を流す
家を持つもの 路地を持つもの
どちらも同じ 星を踏む
帰るとは 鎖に戻ることじゃない
眠る場所を 自分で選ぶこと
触れぬままでも 愛は残る
呼ばずに待てば 朝にはいる
誰かのものに ならないままで
誰かのそばに いることもある
猫 流離うマタタビ
月が滲んだ 屋根を渡れ
どこにも属さず どこかへ帰る
マタタビの夢を 尾に絡め
猫 流離うマタタビ
夜を飼いならす こともせず
夜に飼われる こともなく
朝の手前で 影になる
また旅か、と
月が問う
猫は尾だけで
答えて消える
- 作詞者
IKIMONOIR
- 作曲者
IKIMONOIR
- プロデューサー
IKIMONOIR
- ソングライター
IKIMONOIR
- プログラミング
IKIMONOIR

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流離猫
IKIMONOIR
人に飼われて、夜を飼う。
追えば遠のき、忘れれば寄る。
誰かのものにならないまま、
誰かのそばにいることもある。
帰るとは、鎖に戻ることじゃない。
気まぐれな距離を生きる猫を、胡弓と低い三味線、箏と鼓の緩やかな6拍子で歌う。
気だるい低い男声と、深いこぶしの女性民謡。
IKIMONOIRが描く、生き物たちの知られざる姿と物語。
「生類奇譚」第一章。
作詞・楽曲構成は人間が行い、音源の生成にAIを使用しています。



