歌詞

サボテンの花って

夜咲くらしいね

…知ってたけど

見たことはない

…知ってたけど

見たことはない

⸻

仕事ばっかの毎日で

部屋に戻れば ほっとしたくて

…知ってたけど

見たことはない

⸻

仕事ばっかの毎日で

部屋に戻れば ほっとしたくて

気づけば増えてた鉢の数

癒しって言葉を正当化してたはず

新芽が出た日は 嬉しくて

水やりが “儀式”みたいで

ゆっくり眺める時間が

心の余白だったんだ

⸻

でもメールとアポと会議と締切

見てなかった

鉢より先に、目線はモニターに

“趣味”のはずが“忘れてた”

水やりも 「また今度」って逃げてた

ベランダの奥で

咲いてた小さなつぼみ

朝見たら…

もう、終わってた

⸻

咲いたのに

見てなかった

ちゃんと見たら

何か変わってたかな

夜に咲いて

朝に枯れる

まるで、今の俺みたいだ

⸻

何のために始めたんだっけ

しょくぶつは嘘つかないって思ってたのに

俺の心の乾きのほうが

ひどくなってたみたいだ

無理に増やしたって意味ない

水やったって気持ちがなきゃ枯れる

あの日、花が咲いてた

でも俺は、どこにもいなかった

⸻

咲いたのに

見てなかった

美しさを

受け取る余裕もなかった

夜に咲いて

朝に枯れる

その一瞬すら

いまの俺にはまぶしすぎた

…知ってたけど

見たことはない