Lyric

窓のすき間から朝がこぼれてる

止まったアラーム　息をそろえる

マグカップの底に小さな虹が沈む

机のメモは少し風にほどけてゆく

やることは砂のように逃げてく

心だけ先に走って転んでしまう

誰かの速度でもう測らなくていい

立てない朝でもここにいていい

きょうは一歩でいい　一歩でいい

一分先の景色だけを見にいこう

できなかった数よりできた数を

呼吸みたいにゆっくり数えよう

君は壊れてない　少し疲れただけ

小さな灯を手のひらでずっと守ろう

返信の文字はたまに途中で止まる

言い訳じゃないよ　言葉が重い

カーテンの裏で昼が眠っている

ため息の数だけ靴紐がほどける

夜になると花火みたいな案が浮かぶ

気づけば朝でまぶたが少し熱い

普通は借り物　君には似合わない

歩幅がちがうなら隣をずっと歩くよ

きょうは一歩でいい　一歩でいい

できなかった心ごと抱きしめよう

大丈夫より『ここにいる』と言う

泣けるなら泣こう　乾くまで待とう

君は足りなくない　ぜんぶ持ってる

見えないだけの小さな灯がある

時計が溶ける日も　雲の重い日も

君の名前を呼ぶ声はここにある

チェックリストに記す　小さな勝利

今日は起きられた　歯を磨けた

窓を開けて　そして涙を拭いた

それが世界を動かすはじまりの音

きょうは一歩でいい　一歩でいい

遠回りの地図でもちゃんと帰れる

転んだ跡はいつか道しるべになる

君が君であることを責めなくていい

灯は消えない　手の中で揺れる

暗さの分だけ星はまた増えていく

カーテンを結んで朝をほどこう

合図はいらない　君の合図で行こう

小さな灯を今　明日にそっと手渡す

同じ速さで　いっしょに歩こう