あくびのジャケット写真

歌詞

あくび

Yaka

夏休みの期間の電車は モノクロな通勤電車とは感じが随分違います

目の前は仲良し親子連れ 後ろにも仲良し親子連れ

駅の名を読み上げ 楽しそうに笑う

眺めていてふと涙こぼれた あくびのふりで頬をぬぐった

私も昔は 当たり前に笑っていた

あの子に逢いたい あの子に逢いたい あの子と色んなとこに また出かけたい

花嫁に憧れてた 可愛く微笑む君

今はもう二度と見られない 夢の中だけの笑顔

あの子の部屋はあの冬の日から 時が止まっています

あの子のクローゼットは あの日のままです

制服の袖をさすりながら 何度も名前を呼んでみた

声を限りに呼んでみたが 返事かえらぬ夜

あの子と話したい あの子と話したい お化けでいいので母に返事をしてください

あれから十年が経ち 母は仕事続けてます

君が誉めてくれた仕事だから 母は頑張ってます

夏休みの期間の電車は モノクロな通勤電車とは様子が随分違います

あの親子にもこの親子にも 素敵な日々が続く

皆に幸あれと願い またあくびのふりをした またあくびのふりをした

  • 作詞者

    Yaka

  • 作曲者

    Yaka

  • プロデューサー

    中島寛信

  • ボーカル

    Yaka

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    あくび

    Yaka

夏休みの時期、通勤電車内での出来事。
普段の通勤時の白、黒、ネイビー等の仕事服に混ざり、鮮やかな色とりどりの服装が周囲の目を惹く。
夏の楽しい家族旅行に出かける親子を誰もが微笑ましく見ている。
「わたし」もかつての楽しかった娘との家族旅行を思い出している。
海、山、水族館、楽しいことばかりの夏休みに満面の笑みではしゃぐ娘。
その娘の様子につられて笑顔になる母。居合わせた周囲の人も自然に笑顔になる。
楽しいことしかなかった夏。
10年前の娘の死を機に、その幸せは消えてしまった。
心を無にして仕事を続けている「わたし」。
その仕事は生前の娘が誇りに思ってくれていた仕事であり、ただそれだけの理由であり、ただそれだけを心の支えに黙々と仕事を続けている「わたし」。

微笑む子供の中に幼き日の娘の幻影を見た気がし、ふと、目尻から涙が一筋流れた。
朝の眠たいサラリーマン達のあくびにならうようにあくびをし、涙を手で押さえた。

時が過ぎ行く中、どんなに経過しても我が子の喪失の哀しみが薄れることはない。
通勤電車であれ、家の使われることのなくなった娘の部屋であれ、何であれ、そこここに我が子の面影は残り、母の哀しみは逢えなくなった日が長ければ長いほど募っていく。
時間薬という言葉が空しく母の中を通り過ぎていく。

そんな苦しい胸の内をシンガーソングライターYakaが吐露する「あくび」。
聴く人の心には重く厳しい歌かもしれない。
故に発表を躊躇していた歌でもあるが、周囲からの音源化を切望する声が多く、今回のリリースに至った。
Yakaの真髄そのものである「あくび」を存分に聴いてYakaワールドを楽しみたい名曲。

曲内ラストの電車音は、Yakaが体験した東急大井町線の音を忠実に採音し挿し込みされており、全般通してバックの美しい音源にも注目したい珠玉の名曲である。

アーティスト情報

SEAGLASS MUSIC

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