白か黒じゃない

この曲は、現代社会にはびこる行き過ぎた正義と不寛容への鋭い問いかけです。

「白か黒」「善か悪」という単純な二元論が、人々を分断し、安易な攻撃へと駆り立てる。ネットの匿名性という盾に隠れて放たれる言葉の暴力に、私たちはいつの間にか加担しているのかもしれません。

しかし、このブルースは単なる批判に終わりません。
「河海は濁流も受け入れてその深さを増していく」
というフレーズは、不完全な人間同士が互いの「濁り」を認め、受け入れ合うことの大切さを力強く示唆しています。
理想ばかりを追い求めるのではなく、泥濘の中でもがきながら生きる人間の弱さや痛みを抱きしめ、前に進もうとする決意が込められています。

完璧ではない私たち自身の矛盾と向き合い、そのすべてを肯定しながら生きる。
そんな、傷だらけの魂に捧げる、深く温かいメッセージを、重厚なブルースサウンドが奏でます。